晴、28度、78%
東南アジアでは黄緑色の菓子が売られています。ゼリーやケーキ様々な菓子が緑色でした。先日友人が「ピスタチオのバームクーヘン」を届けてくれました。ピスタチを思わせるやや緑色のバームクーヘンです。一緒に食べながらどこかでこの同じような菓子を食べたなあと思っていました。思い出したのは数日後のことです。インドネシアの「千層羹」です。名前の通り「千層」に焼かれた長方形のケーキです。バームクーヘンのように薄い層が重なっています。味は「コーヒー」「ドリアン」「パンダン」などがありました。香港に渡ってすぐに見つけたこのお菓子、バームクーヘンが好きな私は飛びつきました。安いお菓子です。緑色の「千層羹」は「パンダン」と書かれています。「パンダン」が何かわかったのはそれから数年後、タイに旅行した時のことです。タイ料理は葉っぱに乗って出てくることがあります。「バナナの葉」は大きく、細長い葉っぱが「パンダン」でした。
この「パンダン」の葉を粉末にして色付けに使うそうです。色付けだけではありません。かすかに優しい甘い香りがします。「千層羹」を思い出してネットを検索していると「パンダンの粉」を扱っている店を見つけました。日本のネットはなんでも売っています。懐かしさから取り寄せました。 袋を開けると甘い香りが鼻先に漂います。
「千層羹」は難しい、まずは普通にスポンジケーキを焼きました。 発色は「抹茶」よりダークですが甘い香りがあります。「抹茶」のようなはっきりとした味はありません。
インドネシアの「千層羹」は帰国前にはいいお値段になっていました。そして日系のデパートには「ユーハイム」が入って「バームクーヘン」を焼き始めました。私はすっかり「千層羹」を忘れていました。
35年前、色の黒い女の子の絵のパッケージの「千層羹」をどれだけ食べたでしょうか。「パンダンの粉」でお次は何を作ろかな。その土地その土地で地元の植物を使った料理や菓子があります。「パンダン」は東南アジアの匂いを運んで来てくれました。