晴、8度、64%
最近は贈り物の形が変わって来ました。お歳暮やお中元なども配送を頼めます。昔は携えて相手の家を訪ねてご挨拶と一緒に手渡しました。「選べる贈り物」と書かれた小冊子を受け取ることもあります。自分で好きな品を選べるのはいいのですが、どなたからいただいたという気持ちが希薄です。贈答が好きな日本では一年中、贈り物が飛び交っています。
デパートから送られて来た箱より、贈り主が自ら詰めてくれた箱を開けるのは楽しみです。緩衝材の代わりに果物が入っていたりその人の人柄が見えます。温かさが伝わって来ます。箱を開けながら、贈り主の顔が浮かびます。
小さい頃から「赤いリボン」のかかった贈り物をもらうのが好きでした。きっとあの時からと思い当たる贈り物があります。白い箱に「赤い太いリボン」、紐解くと中にはレースがついたソックスがたくさん入っていました。母はレースなど私に着せてくれなかったので、箱の中が眩く感じました。小学生の頃のことです。贈り主は母の友人でした。
一人っ子でしたので贈り物の取り合いなどありません。贈られて来たものは全部自分のもの、いまだにそんな感覚が抜けません。お誕生日やクリスマス、67歳の今も大好きです。何かを貰えるから好きなわけではありません。体の中からワクワクします。覚えていてくださった友人から言葉やカードをいただくと「ありがたい」と思います。昨日届いた小包を開けると「赤いリボン」がかかった箱が入っていました。何年ぶりでしょう?8年ほど前、友人が桐の小箱を贈って来てくださった時以来です。「赤いリボン」の贈り物、思わず声をあげそうになりました。リボンは「金色」や「ピンク」ではなく「赤」がいいのです。
昨日は思いがけず「赤いリボンの贈り物」を手にしました。子供の頃から引きずっている思いがどなたにもあると思います。私は幼稚な思いがいまだに抜けずにいることを少し恥ずかしく思いました。でも、嬉しかった。