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曇、2度、70%
「ゴッホ展」が福岡にも回って来ました。帰国4年、西洋画の大家と言われる人の美術展は初めてです。福岡で「ゴッホ」がこれだけ観ることができるのも20数年ぶりだと聞きました。訪れたのは初日の開館時、2階の会場前にはすでに人の列が出来ていました。今回の「ゴッホ展」は「クレラー=ミュラー」美術館の所蔵作品が主体です。「クレラー=ミュラー」夫妻が買い集めたゴッホの作品は個人蔵では最も多いものだそうです。
ゴッホの絵はなぜか人を惹きつけます。ゴッホの生涯を知るとまた興味が深くなります。アムステルダムの「ゴッホ美術館」へも7年ほど前のこの12月に訪れました。東京での美術展には帰国、上京して足を運びました。「クレラー=ミュラー」美術館の所蔵品も観ています。それでもまだ観ていない絵がないかと今回の「ゴッホ展」を楽しみに待ちました。会場に入る前の人たちも私同様、やや高揚気味に感じます。
入るなり数点の鉛筆画、デッサンが並んでいます。これは初めて観るものです。力強い筆致に至る前の平面的な作品、点描画を模したような作品、そして「ああ、ゴッホ」と思わせる絵と展示が続きます。初めて観る「レストランの内部」と題された作品は点描画でその色合いも一見ではゴッホのものとは思えません。いく作品かある「黄色い家」これは幾度か観たことがあるものでした。「クレラー=ミュラー美術館」で一番大きなゴッホの作品は「夜のプロバンスの田舎道」だそうです。以前にも観たこの絵ですが、この絵の前に立った時、周りの誰もいませんでした。「私独り占め」と心でつぶやきます。うねり上がる「糸杉」はゴッホの象徴的な題材です。道を歩く人の顔をまじまじと。月と太陽が入れ替わる時間帯のプロバンスの匂いまで伝わって来そうなこの絵を前にしばらく佇みました。
年末の慌ただしくなる前にと初日に行きました。数日経った今もゴッホの絵の余韻が残ります。作品数は50数点と大規模な展示ではありません。私にとってクリスマスプレゼントのような時間でした。
私もアムステルダムのゴッホ美術館には行きましたが、クレラー・ミュラー美術館には行ったことがないので楽しみにしていました。
特にレストランの絵を見てみたいです。