曇、24度、82%
私がこの家を出て一人暮らしを始める時に母が持たせてくれた「おしゃもじ」があります。竹の「おしゃもじ」です。使い始めて46年、ずっとこの「おしゃもじ」です。
頂き物の塗りの「おしゃもじ」も持っていますが、使うのはこの1本だけ。プラスチックのご飯がこびりつかない「おしゃもじ」は買おうと思ったこともありません。手に馴染んだ小ぶりの「おしゃもじ」です。
46年前、この「おしゃもじ」は先端が丸かったのではと思います。私の癖がついてやや斜めに擦れています。元から小ぶりだったものが46年間で短くなってしまいました。ご飯を炊いておひつに移す、それをお茶碗によそおう、毎日、意識なくこの「おしゃもじ」を使います。使えば洗って、乾かして引き出しにしまいます。隣には塗りの「おしゃもじ」がありますが、客時に人前で使う時だけの登場です。塗りの「おしゃもじ」は私の手に馴染みません。
毎日使う道具です。お鍋やおひつの底を刮ぎます。優しくお茶碗にも盛り付けます。柔らかなカーブがする仕事に満足します。この46年間でずいぶん短くなったはずです。
まじまじと乾かしている「おしゃもじ」を見つめました。割れる日が来るまでずっとこの「おしゃもじ」と付き合います。小さな道具ですが、「ありがとう」
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