曇、2度、72%
秋の栗の季節になるとたくさんの栗のお菓子を頂きます。昨年は栗が丸ごと一つ入った「マロンパイ」に始まりました。和菓子も洋菓子も秋からは「栗」です。数十年ぶりに「マロングラッセ」まで頂戴しました。栗尽くしのここ数ヶ月でした。「栗羊羹」に至っては洋風にアレンジされた羊羹、昔ながらの竹皮に包まれた蒸し羊羹までいただきました。その中の一つが、たねやの「栗月下」です。
近江のお菓子屋さん「たねや」のお菓子は和洋菓子ともよく頂戴します。バームクーヘンが好きな私には季節のバームクーヘンは楽しみです。「最中」「大福にオリーブオイルがついた菓子」「薯蕷饅頭」と「たねや」のお菓子はどれも美味しいと思います。
「栗月下」は栗羊羹なので日持ちがよくつい先日、封を切りました。開けてびっくり、普通の栗羊羹とは趣が違います。小豆の餡なし、全部栗の羊羹です。 しっとりしていないので、切る先からホロリと崩れます。蒸し栗にほんの少し繋ぎを入れて固めた羊羹だそうです。茹で栗を頬張った時のあの食感です。口に含むとなんとも栗の風味豊かです。ただ、しっかりと甘みが付いています。小さな一切れでお茶のお代わりです。ずいぶん以前にも「栗月下」をいただいた記憶が蘇って来ました。
お菓子一つのことですが、向き合う時の私の気持ちの持ちようでお菓子を味わう感覚が違います。「あれ?この味はどこから来るのかな。」などと一人ゆっくりと味わうおやつは目の前のお菓子ときちんと向き合っている時です。そんなことを「栗月下」が気付かせてくれました。栗のお菓子、これで最後、また秋まで楽しみに待ちましょう。