晴、6度、82%
「ぶぶ」とは京都の言い回しで「お茶漬け」だそうです。「ぶぶうなぎ」をいただきました。見た目は真っ黒なうなぎの佃煮のように見えます。香りは京都らしく山椒です。 わざわざ「お茶漬け」のためにうなぎを作るところが京都らしいと思います。「お茶漬けサラサラ」と何もない時の食事の代表のような「お茶漬け」ですが、こんな立派な添え物があれば「サラサラ」ではなく神妙にいただきます。
最初はご飯の上に乗せて食べました。 この写真の後、ご飯に穴を作って「ぶぶうなぎ」を埋めて数分、穴を開けると山椒とうなぎが香ります。うなぎをこうして温めて、一気にご飯に混ぜました。見た目とは違い「ぶぶうなぎ」は優しい味でほろほろと崩れます。蒲焼のうなぎの身感触とは違います。一切れの「ぶぶうなぎ」でご飯一膳終了。
次はお店のお勧めの「お茶漬け」で食べました。お店のお勧めには、どこそかのお茶漬け用のお茶、どこそかの「ぶぶあられ」と書かれています。たまたま「ぶぶあられ」は手持ちがありました。お茶漬け用のお茶はないので普通のお煎茶で。 熱いお茶を注ぐと「ぶぶあられ」の香ばしい香りに続いて「山椒」、そして「ぶぶうなぎ」が香ります。この香りが醍醐味です。これまた一膳、すんなりとお腹に収まりました。
実は「ぶぶうなぎ」をいただいた時からどうしても合わせてみたかった食べ方があります。年末に「伊香保」のおうどんを頂戴していました。讃岐うどんよりは細めですが、コシの強い、美味しいおうどんです。美味しいおうどんは「釜揚げ」が一番と決め込んでいます。この「伊香保」のおうどんと「ぶぶうなぎ」を一緒に食べたいと頭の中で想像します。 「ぶぶうなぎ」は醤油の味が強くありません。「伊香保」のおうどんはしっかり茹でても塩味が残ります。そこで繋ぎに「生卵」をポトンと落とします。おまけに「山椒」の実を散らし、胡麻と小葱を少々。お醤油もお出汁も使わず、おうどんの温かさが残るうちに全部をかき混ぜて食べました。「卵の黄身」は何にでもいいソース代わりになります。味をまろやかに整えてくれます。想像以上の美味しさでした。
「冬の丑の日」があるそうです。「ぶぶうなぎ」を食べたのはそんな「冬の丑の日」でした。美味しい「ぶぶうなぎ」美味しい「伊香保」のおうどん、ごちそうさま。