マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

『ドングリと文明』 ウイリアム・ブライアント・ローガン

2008-12-20 | book
狩猟採集からいきなり農耕へ移行したのではない、
ドングリの木の傍に定住し栽培し、
ドングリを主食にしたドングリ文明があった 、
著者はこのことを様々な角度から検証する。

ヨーロッパ人がアメリカに侵入したとき
ドングリを食べて平和に暮らしていた先住民族がいたことがわかっている。
侵略したヨーロッパ人は当時はドングリを食べてなかったかもしれないが、
Oakの樹皮でなめしたブーツをはき、
ドングリで飼育した豚を食べ、
Oakの炭で鍛えた鉄の武器を持ち、
Oakのゴール(虫こぶからとったインク)で書いた文書を携え、
Oakの船に乗ってやってきた。

日本でもドングリやクリを栽培して食べていた時代があったことはわかっているが
ヨーロッパの歴史はOakなしには考えられないようだ。

特にOakの樽の話、Oakとなめし皮の話はおもしろかった。
Oakのゴールのことは全く知らなかったのでびっくりした。
ダ・ビンチもゴッホもバッハもOakのゴールから作ったブルーブラックのインクを使って描いているそうだ!!

*Oakは日本の常緑のカシではなく、
ミズナラやコナラに近いらしい。

 『Oak』ドングリと文明(偉大な木が創った1万5000年の人類史)
ウイリアム・ブライアント・ローガン  
訳、山下篤子   日経Bp出版センター  2008年




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