マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

ハイチ

2010-01-15 | Weblog

たまたま1週間くらい前に図書館で借りてきた本で、
初めてハイチの小説をいくつか読みました。
そしてハイチについて少しだけ興味を持ち始めていたところでした。

最も早い時期に黒人奴隷たちが自力で独立を勝ち取った国なのに、
その後の歴史はあまりに悲惨です。
カリブの海に浮かぶ宝石のような島々を発見したヨーロッパの国々は
まずありったけの金銀を奪い、
次にアフリカから黒人奴隷を送り込んで、
砂糖のプランテーションで働かせ、莫大な富を収奪し続けたのです。
それは同時にアフリカの黒人たちや原住民の宗教や言語などの伝統的な文化を奪い
肌の色による差別を植え付け貧富の差をを拡大することでした。
何度も政変があり、
自分の利益しか考えないアメリカの占領がいっそう複雑な混乱を招き、
その後も暴力が蔓延し恐怖が支配する独裁政治が長く続きました。
その傷はあまりに深く、経済の破綻はむろんのこと、
未だ立ち直る糸口も見つからないのがハイチの現状のようです。

もちろん出版社もほとんどなくて、
この本の作家も自費出版したり他国で出版しています。
今回この本で短編を幾つか読みましたが、
無駄のない文章と未来的ともいえる感覚が
全く違う文化状況の日本にいる私に心にもスパッと入ってきます。
若い作家ばかりですが中でも女性作家のタッチの鋭さが印象に残ります。


そうしたら、地震のニュース、
ハイチの国民の30%が被災したとか、
忘れた頃にとか言いますが、地震も台風も津波もどこかで
絶えず起こっているように思います。。
軍備とか基地とか戦争とか言っている場合じゃないと思います。
世界中の軍隊が災害救助隊になったらいいと思います。

『月光浴』ハイチ短編集
BAIN DE LUNE  フランチエンヌ エドウィージ・ダンティカ他
2003年  国書刊行会出版
コメント
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