マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

映画『タクシー運転手』 約束は海を越えて

2018-07-16 | 映画
久し振りに映画を観ました。

韓国の映画です。
滞納した家賃を稼ぐために、
ジャーナリストを載せて光州までたどり着いたタクシー運転手は、
図らずも、
光州で恐るべき軍隊の暴虐を知ります。
そして、そのドイツ人のジャーナリストと共に追われる身となります。
ソウルの自宅には独りで自分を待つ小さな娘がいる、
電話も通じない、
ごく平凡なソウルのタクシー運転手の、
苦悩、葛藤そして決断。

実話が元になっていますが、
スリリングでエンターテイメントな仕上がりで、
片時も目が離せません


ドイツのジャーナリストと、
光州市民を襲う軍を撮ったフイルムを、
出合った学生や、
光州のタクシーの運転手たちが文字通り命を懸けて守り、
ついに、光州からソウルへ運ぶことに成功し、
日本を経由してドイツで放映されて、、
全世界が光州事件をことを知ることになります。

過去の歴史の汚点ともいえる光州事件を、
このようなドラマティックな映画にした、
韓国の映画界はすごい、と改めて思いました。
今の日本では作れない、能力もない、力も無い、とても残念です。
軍隊は常に国家権力のためにあり、
銃は国民に向けられる、という歴史の事実。
なのに、国民はいつもいつも騙されてしまうのです。

誠実とはどういうことか、
勇気とはどういうことか、
個人で何ができて、何ができないか、
など多くのことを一市民の目線で伝えてくれる映画です。
イケメンも美女も出てきませんが、
俳優たちの味わいのある顔が忘れらません。
主役のソン・ガンホ、
コミカルな味もあり、演技に深みがあります。
スケールの大きい素晴らしい俳優です。

出町座」で見ました。
とても小さなシアターですが、
椅子も、室内温度も、音声も快適。
「ユーリ・ノルシュテイン」のアニメをやっているので、それも見に行きたくなりました。
今、高畑勲監督の作品の上映会もやっています。

映画館が苦手だったんだけど、
この小さな出町座なら大丈夫そうです。
それに、行く前は少ししんどかったのですが、
この映画を観て、元気がでました。

「タクシー運転手」まだの方は8月3日まで(出町座)です、ぜひどうぞ。

小さな半券、シニア料金が嬉しいです。




コメント (1)
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