マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

「おケラ」と「殿様ガエル」

2021-05-10 | 自然
陽が落ちると、
「じ~・・・」という虫の鳴き声が聞こえる季節になりました。
「ケラ(螻蛄)」が鳴いているのだそうです。
胴体をつかむとその手を広げる様子から、
「懐がすっからかん」を表す「おけら」という言葉が生まれた、というのも愉快!
写真は先日夫がつかまえたケラの子ども。とても小さいけど、
頭でっかちで、写真ではよく分かりませんが、
ずんぐりした体、大きな手、モグラにそっくり、愛嬌のある姿です。



草むらを歩くとアマガエルが飛び跳ねます。
トノサマガエルもちょくちょく見かけます。
敏感な蛙です。
今では準絶滅危惧種になっています!
田の水を抜いた時に逃れる水路がないと生きていけないそうです。
アマガエルと違って、指先に吸盤が無いので、コンクリート壁は登れません。
どこから遊びに来ているのかな?



虫に、敬称の「お」を付けたり、
「殿様」を付けたり、
昔の人はユーモアがあっていいな。




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コゲラ(ウッドペッカー)

2021-05-08 | 自然
コッコッ・・・と、とても早く木を叩く音が聞こえてきました。
きっとコゲラだろうな、と思いながら、
そっと音のする方へ近付いていくと、いました!
緑の葉陰にコゲラ(小さなキツツキ)の白と黒の衣裳が見えます。

私が近づくのも気が付かず、
餌をとるのに夢中のようです。



このキーウイの木にはあちこち傷んだ場所があって、
そこにきっと虫がいるのでしょう。
コツコツ叩いては素早く移動し
またコツコツ叩く動作を繰り返していました。

もう少し近づこうとした時、さッと身をひるがえして飛び去りました。
きっとまた来るよね!

去年別の場所で拾った、たぶんコゲラのおとした羽根。






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詩人「竹内浩三」

2021-05-04 | book
5月3日憲法記念日、中日新聞の一面は「詩人・竹内浩三」でした。



竹内浩三は100年前に伊勢に生まれて、
フィリピン・ルソン島で戦死しました。23歳でした。

竹内浩三の少年時代、周りは軍国少年ばかり、
反戦厭戦の「文」や「詩」や「まんが」は、宮沢賢治の本をくりぬいて隠していたそうです。

伊勢の実家は空襲で焼かれ、
姉の所に送られていた詩が残されました。

詩はとてもやさしい言葉で書かれていて、心の中に真っすぐに入ってきます。
若いきらきらした精神を感じます。
楽しいこと面白いことが大好きで、
やりたいことが山ほどあって・・・
そんな青年たちに、鉄砲を持たせ、人殺しに行け、お国のために死んで来い、と命じる国家の何と残酷なことか、

私はこちらへ越してくるまで、この詩人のことを知りませんでした。
図書館や新聞などで、この詩人のことを知り、すぐに2冊の本を購入しました。
その2冊を紹介します。



『骨のうたう ”芸術の子”竹内浩三』
  小林察 著 

  藤原書店  2015

『竹内浩三集』
  竹内浩三 文と絵

  よしだみどり  編
  藤原書店  2006
 (この本は、竹内浩三の詩とたくさんの自筆のマンガで構成されています。)






***********************
骨のうたう

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

白い箱にて 他国をながめる
音もなく なんにもなく
帰っては きましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や女のみだしなみが大切で
骨は骨 骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨はききたかった
絶大な愛情のひびきをききたかった
がらがらどんどんと事務と常識が流れ
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった

ああ 戦死やあわれ
兵士の死ぬるや あわれ
こらえきれないさびしさや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

 
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石積の里 1

2021-05-03 | Weblog
伊勢の山の中の、石積の里(一宇郷)へ行ってきました。
その中の横輪地区に、そこしかない、という珍しい桜があり、
横輪桜の里として近辺では知られていますが、
桜も散った今、私はこの里のどこまでも続く「石積」に圧倒されました。

山の中の、谷あいを、小さな川がうねうねと流れていて、
その川沿いに道があって、段差の付いた畑や田んぼがあって、
数軒ずつ家が並んでいる。
そんな風景はおそらく日本中いたるところで見られると思います。
けれど、ここは、山に囲まれているのに、
海(太平洋)からの風の通り道となっていて、
年中強い風(地元の人が言うには台風並みの風)が吹くのだそうです。
その風を防ぐために、家の周りに石を積み上げ、
傾斜地に畑を作るために石を積み上げ、
田の周りにも石を積み上げ、川の土手も石を積み上げ・・・
その石の量、石の大きさが、すごくて、
本当にびっくりしました。

(上は桂林寺の周りの長い石垣。石は1メートルくらいもある、どうやって積み上げたのだろう)
(下は民家の周りの石垣)













(大岩が山の神様だろうか?)

昔々、石だらけの場所に田や畑を開墾していったのだと思います。
その石を使って、全て人力で一つ一つ積み上げていった、途方もない苦しい労働です。
けれど、そこにはきっと夢がこめられていたと思います。
その「かつての夢と希望」を感じる美しい里でした。



休日のせいか、あちこちに人の気配があり、
家々に車が出入りしているので、何となく安心しました。




















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