わたしは両極端、トップとボトムしかない。真ん中がない。
このせいで、今までの人生、結構苦しんできた。
上に合わせると、もたない。足りない。
下に合わせると、はみ出す。余る。
帯に短し襷(たすき)に長し。
昔の人は、まさに言い得て妙のことを言う。
古今東西、皆さん、そうなのだ。
ただ、その特徴が強いか、そうでもないか、ぐらいで、多かれ少なかれ、その経験、傾向はあるだろう。
修練を積んだり、努力して、ちょうど良いところに自分を持って行く。
自分で自分と折り合いをつける。
しかし、なかなかしっくり行かない。
真ん中の自分は、自分には馴染まない。
両極端の位置からのスゥイング、振り子エネルギーが動力源になっている。
(こんなことを書いても読む側には退屈なだけなのは、よくわかっている)
ところで。
映画「52ヘルツのクジラたち」を観た。
全編、涙涙涙、、、プラス鼻水で、分厚いタオルハンカチは、しっとり。
周りでもすすり泣く声が聞こえた。
皆さん、泣き虫。
魂の叫び。
制作費はさほどかかっていないと思われるが、原作が素晴らしい。
本屋大賞を受賞した小説らしい。
ストーリー、中身が卓越していると、感動を呼び起こす。
FMラジオのDJが、「原作も読み、映画も観て、映画では3ヶ所で大泣きしました」と言っているのを聴いて、観たくなった。
で、観て大正解だった。
寝る暇は到底なかった。
(わたしの映画評価基準は、眠いか否か。
いたってレベルが低い)
ただし、ワザとだとは思うが、とってつけたような作り込み箇所がいくつかあった。
(室内インテリアがまさに「映画」のようで、モデルルームのようにつるんとキレイで生活感がなさすぎる。
背景考証的に、どうしても疑問が残る点がある)
現実を知らない未成年が、インターネットや映画などから想像するようなステレオタイプ的なイメージが数ヶ所あり、ちょっとわたしにはマンガチックに映る。
幼い少女が夢みる童話の中の世界、登場人物に通じるものがある。
大人の描き方に欲求不満が残る。
わざと?デフォルメ、メリハリのため?
大の大人を通り過ぎ、現実人生の先輩としては、気になるものの、目を瞑る。
実写ドキュメンタリータッチ、リアリズム追求路線ではないのだろう。
まあ、「魂」優先だから、仕方ない。
あれもこれもは、望み過ぎか。
スポンサーでもないのだし。
(が、こころに傷を持つ繊細な人を思い遣らない無神経な発言は控えたい)
「いやあ〜映画っていいですね」と、水野晴郎氏や淀川長治氏の顔が浮かんだわたしは、かなりの年齢。
それにしても、最新作品もなかなか良いものだ。