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『ソロモンの偽証 後篇・裁判』

2015年05月07日 | 映画(さ行)
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』
監督:成島出
出演:藤野涼子,板垣瑞生,石井杏奈,清水尋也,前田航基,望月歩,西村成忠,
   西畑澪花,佐々木蔵之介,夏川結衣,永作博美,黒木華,小日向文世他

公開からGWに突入するまでどうしても時間帯が合わなかったのですが、
憲法記念日にやっと観ることができました。
梅田ブルク7と大阪ステーションシティシネマ、どちらで観るか迷い、
ポイントの貯まる後者にて鑑賞。

前篇と同じく、母校に着任した中原(旧姓・藤野)涼子(尾野真千子)が
新任校長の上野素子(余貴美子)に同校伝説の「校内裁判」について語り始ます。

大人たちに振り回されて傷ついた涼子(藤野涼子)たちは、
同級生の柏木卓也(望月歩)がなぜ屋上から転落死したのか、
その真相を突き止めるべく校内で公開裁判をおこなうことに。

被告は告発状に犯人として名指しされていた不良の大出俊次(清水尋也)。
彼の弁護を務めるのは、卓也の友人だったという他校生の神原和彦(板垣瑞生)。
涼子が検事、いつも冷静な秀才・井上康夫(西村成忠)が判事。
陪審員の選出も終え、それぞれが自分の役割に応じて準備を進める。

被告として出廷を求められた俊次は怒り狂うが、
罵られても殴りかかられても和彦は動じず、その粘りが実る。
また、告発状の差出人だと噂されていた三宅樹里(石井杏奈)も、
涼子が証人として出廷してほしいと頼みに行くと、
母親(永作博美)の反対を押し切り、すべてを裁判の場で話すと誓う。

こうしていよいよその日が到来。
生徒と教師、保護者らが続々と集まる体育館で校内裁判が開廷する。

前篇を観た後に読み始めた原作。
全6巻中2冊は読んだのですが、その後いろいろと浮気をしてしまい、残り4冊は放置したまま。
だから原作ではいったいどうなっているのかわからないし、
映画がどういう結末に落ち着くのかもまったく想像できなくて。

2冊目まで読んだ印象では、原作はもっとややこしい。
映画では始終ニコニコしていて家庭に何の問題もなさそうな生徒も原作ではそうじゃない。
問題のない奴なんていないんじゃないかと思うぐらいドロドロでしたから、
映画のほうがずっとシンプルで爽やか。

1冊目を読んだとき、こんなに頁数を割かんでもええやろ、オヤジ!
……と思っていた電器屋の親父が、こんなふうに鍵を握る形で登場するとは。
津川雅彦がいい味で、ピッタリのキャストでしたねぇ。

茶番だぁ!と思う自分がいる一方で、
証人として喚ばれた元校長(小日向文世)に対する涼子の言葉に泣きました。
生徒は先生のことをよく見ている。

大人になると、自分の心の声に蓋をして、
ごまかしながら生きるのが上手くなる。
ときにはごまかさなければ生きて行けないけれど、心の声も聞かなくちゃ。

今月中には残り4冊を読むつもりですが、ほかにも読みたい本が多すぎる。

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