夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ビリギャル』

2015年05月12日 | 映画(は行)
『ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
監督:土井裕泰
出演:有村架純,伊藤淳史,野村周平,大内田悠平,奥田こころ,あがた森魚,安田顕,
   松井愛莉,蔵下穂波,阿部菜渚美,中村靖日,峯村リエ,吉田羊,田中哲司他

前述の『シンデレラ』の後、なんばパークスシネマからTOHOシネマズなんばへ移動。

出がけに本作をネット予約したさい、すでにかなり混雑していて、私は前方の端っこを確保。
入場してみれば満席で、私の隣席、つまり端から2番目に座ったのは中学生ぐらいの男子。
並んで席が取れなかったらしく、前列同じく端から2番目の男子と前後で話している。
「席、変わろか」と言ったらえらく喜んでくれました。
はいはい、こちらはいつでもひとりですから、喜んでもらえるなら替わりますわよ。

原作は学習塾長の体験談を綴った『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』。
監督の名前に見覚えはあるけれど何を撮った人だっけと調べたら、TVドラマの演出家。
『愛していると言ってくれ』、『真昼の月』、『青い鳥』などなど、
私もまだドラマをよく観ていた頃から多くのドラマを演出していらっしゃるようで。

なかなか友だちができない小学生の工藤さやか(山田望叶)。
同級生男子からボールをぶつけられたとき、
事情を聞きに学校へと駆けつけたさやかの母親・あかり(吉田羊)に向かって、教師(中村靖日)はこう言う。
「長いものには巻かれろ、ですよ」。
あかりはさやかを転校させるが、やはり友だちはできない。
そんなとき、たまたま通りかかった女子中学生を見てさやかがつぶやく。「あの制服、可愛い」。

こうして制服が可愛い中学校を受験。
大学まで一貫の私立女子校だから、入学してしまえばこっちのもの、好きなことだけしていればいい。
はじめてできた友だちに囲まれ、勉強なんていっさいせず、楽しく過ごす。
結果、高校生になったさやか(有村架純)はついに学年ビリの成績、偏差値30。

持ち歩いていたタバコを見つけられ、校長室に呼び出しを喰らう。
担任たちから「ほかの喫煙者を教えろ。教えれば大目に見てやる」と言われ、
あかりは「仲間を売れというのがあなたたちの教育方針か」と激怒。
退学をほのめかされても決して口を割らなかったさやかは、結局無期停学処分に。

さやかの様子を心配したあかりは、学習塾に行ってみてはどうかと言う。
講師の坪田義孝(伊藤淳史)と面談したさやかは、意外にもその場を心地よく感じる。
塾にかようことに決めたものの、なんとさやかの学力は小4レベル。
常に前向きな坪田もさすがに困惑を隠せないが、
ノリで慶應大学に入ると宣言したさやかのやる気を巧みに引き出し……。

実話に多分に脚色が入っているものと思われますが、映画としては楽しい。
さやかには弟と妹がいて、田中哲司演じる父親は、息子のことしか眼中にありません。
姉妹にしてみれば寂しいことこのうえないけれど、息子は息子でプレッシャーに感じている。
凄いのはやっぱり母親で、どんな映画を観てもそうであることが多いですねぇ。
いやはや、母ちゃんの力、恐るべし。

ヤ~な感じの担任教師に安田顕
こんな作品でも脱いでいるのがワラけます。
裸とか女装とか、この人、ホントに楽しそう。

もちろん泣きましたがな、これも。
先月末から今月初めにかけて、『王妃の館』を除いてほとんど泣いています。
泣ける映画がいい映画だというわけではないけれど、
泣けもしない『王妃の館』にまた怒りが湧いてきて。(^^;

一般常識に欠けるさやかに坪田はまずは読書を勧めます。
中高校生率が高かった本作の客。
読書の習慣がない若者が「本を読んでみようかな」と思ってくれたりしないかな。

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