『ラフィキ:ふたりの夢』(原題:Rafiki)
監督:ワヌリ・カヒウ
出演:サマンサ・ムガシア,シェイラ・ムニヴァ,ジミ・ガツ,
ニニ・ワシェラ,デニス・ムショカ,パトリシア・アミラ他
2019年の映画鑑賞ラストスパート中。
仕事帰りに車で梅田まで出向き、テアトル梅田にて。
ケニア/南アフリカ/フランス/レバノン/ノルウェー/オランダ/ドイツ作品。
ケニアでは同性愛が違法とされているため、本国では上映禁止となった作品です。
両親が離婚して母親と暮らす10代後半の少女ケナ。
国会議員選挙に出馬した父親も近所に住んでいるため、ケナはしばしば会いに行く。
ある日、同年代の少女たちが父親の選挙ポスターをふざけて剥がすのを見かけ、
追い払おうとしたケナは、そのうちのひとりの少女ジキに目が釘付けになる。
ジキは派手なヘアスタイルとファッションで、典型的なケニア人女性とは違う。
自由奔放な彼女にケナはすぐさま惹かれるが、ジキは父親の敵対候補の娘。
人目は避けたいケナだが、ジキはそんなことおかまいなし。
デートを重ね、お互いの気持ちを確かめ合うが、
小さな町のこと、すぐにふたりの仲が噂になって……。
町中の人から冷ややかな視線を送られ、罵倒もされます。
そんな様子を間近で見てきたから、ケナはなかなか交際をおおっぴらにはできない。
それでも気持ちは止められず、ふたりで逢瀬を楽しんでいたら、
後をつけてきた住民たちに袋だたきにされます。
殺されて当然と思われているかのように殴られ蹴られる。
同性を好きになる者は悪魔に取り憑かれていると、
ケナはお祓いを受け、ジキは親から海外へ行かされる。
本当にこんな国が今でもあるのだろうかと思うほどですが、
実際にはまだまだこういうところが多いのでしょう。
女は結婚して男の子を産んで、家事に勤しんでこそ一人前。
そうでなければ認めない。そんな状況。
父親が、自分が議員になることよりも娘の命が大事だと言い切るのが救い。
希望の射す終わり方ではありますが、
おそらくこれ以上の展開に持って行くのはケニア人には難しい。
本作が本国を除く世界各国で上映されることが画期的。
いつか本国でも上映される日が来ますように。