夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2019年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『7号室』(英題:Room No.7)
2017年の韓国作品。
儲かると聞いて始めた個室DVD店にさっぱり客が来ず、
オーナーのドゥシクは店を早く手放したくてたまらない。
バイトのテジョンはこの2カ月給料をもらえず、不信感を募らせている。
ドゥシクは店が繁盛しているように見せかけるべく、
中国人学生ハヌクを新しくバイトとして雇ったところ、店の買い手が現れる。
ところが、故障した暖房機付近を清掃していたハヌクが感電死
事故物件とバレれば契約がふいになってしまうと考えたドゥシクは、
ハヌクの遺体を店の7号室に隠し、ドアに錠前を付ける。
一方のテジュンは、学費を工面するために闇金で借りた金があり、
それをチャラにするという条件で預かったドラッグがあった。
こっそりとドラッグを7号室に隠していたのにドアを開けられなくなり……。
サスペンスコメディとなっていますが、ちっとも笑えません。
韓国の個室ビデオ店や物件売買のさいの権利金の話に興味を持ちました。
それと、死んでも誰にも気にもかけられない朝鮮族の話が悲しい。
 
《に》
『29歳問題』(原題:29+1)
2017年の香港作品。
同名のヒット舞台劇の主演・演出を務めたキーレン・パンが、自ら映画化。
2005年の香港。30歳目前のクリスティは美人のキャリアウーマン。
部長に昇進した途端にストレスが増え、忙しすぎて恋人ともすれ違い気味。
そんな折、アパートの大家から立ち退きを迫られる。
都合良く部屋が空いているわけもなく、つてを頼りに仮住まいすることになったのは、
パリへ旅行するという見知らぬ女性ティンロの部屋。
彼女の日記を見つけたクリスティは、偶然にもティンロと自分が同じ誕生日だと知る。
読み進めるうち、金もない、恋人もいないティンロが、
毎日を実に楽しく生きている姿に惹かれていくのだが……。
1980年代から90年代にかけての香港映画や俳優へのオマージュたっぷり。
特にティンロが愛するレスリー・チャンの話てんこ盛り。
とても切なく美しい作品で、劇場で観なかったことを後悔しました。
 
《ぬ》
『ヌヌ子の聖★戦 HARAJUKU STORY』
2018年の日本作品。
TSUTAYA DISCASには入荷されたなかったため、Amazonプライムビデオ初体験。
双子コーデタレント“ヌヌ子”として活動する葵(吉田凜音)と里奈(久間田琳加)。
芸能ブローカー・ハイジ(西岡徳馬)の紹介で、
大人気バンド“オリオン”のミュージックビデオに出演するが、
完成したビデオに映っているのは里奈ばかり。
その後、仕事も里奈だけに舞い込むようになり、葵は凹まずにいられず……。
最初はこのノリについていけそうになかったのですが、徐々に楽しく。
イマドキの音楽に乗せられて、こんなのもありだなと思えました。
女子ふたりいれば、どちらが可愛いか比べられるのは仕方ないこと。
好みはいろいろありましょうが、どう見ても里奈のほうが可愛いんだもん。
嫉妬して里奈につきまとう葵は相当ウザイけれど、最後は爽やか。
西岡徳馬のコスチュームがぶっ飛んでいます。オッサン、壊れすぎ(笑)。
 
《ね》
『寝ても覚めても』
2018年の日本作品。
原作は芥川賞作家・柴崎友香の同名小説。
地元の大阪で出会った泉谷朝子(唐田えりか)と鳥居麦(東出昌大)。
朝子は麦を運命の相手と信じて疑わなかったが、
ある日、麦はふらっと出て行ったきり帰ってこなかった。
年月が経ち、東京のカフェで働く朝子は、
コーヒーを配達した会社に勤務する丸子亮平(東出昌大の一人二役)を見てびっくり。
麦と瓜二つだったから。
最初は麦とそっくりだというだけで亮平のことが気になっていたが、
次第に亮平の人柄に惹かれ、ふたりはつきあうように。
穏やかな日々が続いていた矢先、麦が売れっ子モデルとして活躍していることを知り……。
たぶん東出くんっていい人だと思うんです。
でも私のタイプじゃないし、声もあまり好きじゃないんだなぁ。
唐田えりかちゃんが関西弁をけっこう上手に話すことには驚きました。
 
《の》
『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』
2018年の日本作品。
大人気TVアニメの劇場版だそうですが、当然初めて知りました。
学年も性格も異なる少女たち5人がかよう田舎の学校。
全校生徒がこの5人だけだから、彼女たちはいつも一緒。
夏休みもそろそろ終わるかなという頃、デパートの福引きで沖縄旅行が当たり、
彼女たちの姉兄や先輩を含む面々でいざ沖縄へ。
「の」で始まる作品はあまりないので、これを書くためだけにレンタルしたら、
意外と面白くて可愛くて、ちょっと好きになってしまった。
5人が皆それぞれ良いキャラでなかなか笑えます。
沖縄で宿泊する民宿の娘とのやりとりも良い感じ。
劇場まで観に行くことは今後もないでしょうけれど、DVDならいいかも。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2019年12月29日 | 映画(た行)
《た》
『探偵なふたり:リターンズ』(英題:The Accidental Detective 2:In Action)
かなり楽しかった『探偵なふたり』(2015)の続編。
推理オタクのデマンは、妻に内緒で漫画喫茶を売り払い、
休職中の刑事テスと韓国初の探偵事務所をオープン。
しかし依頼主はひとりも現れず、金がまったく入らない。
仕事が落ちていないかと警察をうろつくうち、
ある施設出身者が次々と死亡していることを知る。
いずれも自殺や事故死となっているが、どう見ても怪しい。
死亡したとされる男性の身重の妻が再捜査を求めている場面に出くわし、
デマンは頼りにならない警察よりも自分たちに依頼をと彼女に持ちかけて……。
このトリオがなかなか可笑しくて、重い事件ながら笑わせてくれます。
シリーズ化してもいいと思う。
 
《ち》
『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』(原題:Tulip Fever)
2017年のアメリカ/イギリス作品。
17世紀前半、オランダ・アムステルダムでは人々がチューリップに熱狂。
孤児院でもある修道院で育ったソフィアは(アリシア・ヴィカンダー)、
スパイスで大儲けしている豪商コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)に嫁ぐ。
貧困から救い出してくれたコルネリスのために跡継ぎを産みたいが、なかなか。
そんななか、コルネリスは夫婦の肖像画を描かせるために
将来有望な若手画家ヤン(デイン・デハーン)を雇うが、彼とソフィアが恋に落ち……。
チューリップの球根ひとつが邸宅1軒にも相当するほどの投機熱。
色が割れるチューリップが「ブレイカー」と呼ばれて
特に高値で取り引きされていた時代があったことを知りませんでした。
歳の離れた若い嫁を自分なりに愛していたコルネリスの姿が切なかった。
皆それぞれに幸せになったことを匂わせるエンディングがよかったです。
 
《つ》
『妻の愛、娘の時』(原題:相愛相親)
2017年の中国/台湾作品。
定年間近の女性教諭フイインの母親が亡くなる。
フイインの母親はいわゆる第二夫人だが、父親は第一夫人と結婚した直後に村を出て、
生涯をフイインの母親と共に過ごした。
母親を父親と同じ墓に入れたいと考えたフイインは、
第一夫人ツォンが暮らす村へ出向き、決定事項として墓の移設を進めようとする。
しかしツォンは頑として譲らず、自分も愛されていたと主張する。
この騒動のことをフイインの娘ウェイウェイが勤務するTV局で話すと、
上司や同僚が乗り、さっそく取材を始めるのだが……。
墓の移設だなんて罰当たりだと田舎の村では大騒ぎ。
フイインもツォンも自分が妻だと言い募るけれど、結婚証明書がありません。
都会暮らしのフイインは伝手を使って弁護士を雇い、訴訟も辞さない姿勢。
双方がお互いの気持ちに寄り添おうとするラストがとても良かった。
劇場で観たかった作品です。
 
《て》
『テリトリー・オブ・ザ・デッド』(原題:Killer Weekend)
2018年のイギリス作品。日本では劇場未公開。
結婚を控えたサムのために、友人たちがバチェラーパーティーを企画。
元軍人たちが扮するゾンビと戦うサバイバルゲームに参加するが、
迫真の演技で襲いかかるゾンビがあまりに怖くて、
その場に落ちていた木の枝をサムが振りかざしたところ、
それがゾンビの胸に突き刺さって本当に殺してしまう。
トイレを探して迷い込んだ古家にいた暴力的な爺さんも、揉み合いの末に死亡。
2つの死体を車に積んで走っている途中にまたしてもゾンビを轢き殺し、
サムたちは死体もろとも車を湖に沈めるのだが……。
軍人たちとサムたちとの戦いが繰り広げられるわけですが、
相当バカげているうえにほぼ笑えない。
サムとゲームに参加するメンバーに舅もいるのがちょっとだけ可笑しいぐらい。
 
《と》
『トラさん 僕が猫になったワケ』
2019年の日本作品。
主演の子がKis-My-Ft2であることも知らずに観ました。
過去に唯一のヒット作“ネコマン”を出したきりで、
その後は鳴かず飛ばずの漫画家・高畑寿々男(北山宏光)。
妻・奈津子(多部未華子)と娘・実優(平澤宏々路)のおかげで
売れずともお気楽で幸せな日々を過ごしていたが、
ある日、交通事故に遭ってあっけなく死亡。
あの世とこの世の間にある関所で裁判長(バカリズム)に面会すると、
過去の愚かな行為を挽回するために現世に戻してくれるという。
ただし期間は1カ月だけ、しかも猫の姿で。
こうして猫の姿で現世に戻った寿々男は、奈津子と実優に拾われ、
“トラさん”と名付けられて高畑家の飼い猫となるのだが……。
寿々男を含め、猫たちが皆、着ぐるみ姿なのは『猫は抱くもの』(2018)と同じ。
私にはどうもそれが受け入れがたい。
アイドルを起用すると、本物の猫の姿を写して声だけ当てるわけにはいかんのでしょうが。
多部ちゃんは可愛かった。こんな奥さんだといいねぇ。

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