夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『泣く子はいねぇが』

2020年12月15日 | 映画(な行)
『泣く子はいねぇが』
監督:佐藤快磨
出演:仲野太賀,吉岡里帆,余貴美子,柳葉敏郎,寛一郎,山中祟他
 
仕事帰りに寄れる劇場でも上映中でしたが、
ハシゴの兼ね合いでなんばパークスシネマまで。
 
秋田出身の佐藤快磨監督の劇場デビュー作。
企画者は是枝裕和監督だそうです。
私の父も秋田出身。お父さん、もしかすると観たいかなぁ。
連れて行くにしても、連れて行くに値するかどうか私が先に観とかにゃ。
 
ナマハゲで知られる秋田県男鹿半島。
地元民同士でできちゃった結婚をしたたすく(仲野太賀)とことね(吉岡里帆)。
生まれてきた女児に凪と名付けて可愛がるが、
父親としての自覚がなさすぎるたすくにことねは苛立ちを隠せない。
 
そんななかで迎えた大晦日。
ことねから早く帰ってくるようにと釘を刺されていたにもかかわらず、
ナマハゲの祭りに参加したたすくは途中で帰るとは言い出せず。
そればかりか酔っぱらってナマハゲの面をかぶったまま全裸で走り出す。
その姿が中継中のテレビにまで写ってしまい、大変なことに。
 
地元にはいられなくなったたすくは東京へ。
2年後、何もかも知る志波(寛一郎)が男鹿からたすくを訪ねてくる。
半年前にことねの父親が亡くなり、頼る人のいなくなったことねは、
キャバクラで働いているのだという。
ことねと凪の力になりたいと、たすくは故郷に戻るのだが……。
 
物語そのものよりも、地方の年中行事の現状に目が行きました。
昔はナマハゲを見れば子どもたちは間違いなく泣いたのに、今は怖がらない。
若者が面白がって一緒に写真を撮りたがるだけ。
観光地化して町が発展するのはいいことだと思うのですが、
冷めきった子どもたちを見るのはなんだか寂しい。
 
そっちのほうに目が行ってしまったけれど、太賀くんはいい役者です。
父親になることから逃げ、ナマハゲを存続の危機に陥れるようなことをやらかし、
故郷を逃げ出し、でも東京でも酒は絶っている。
東京にいれば、嫌なことはすべて忘れられると思っていたのにそうじゃない。
いまさら故郷に居場所などないことをわかっていながら戻ります。
そんな彼を普通に受け入れる母親役に余貴美子。好きだなぁ、余ねえさん。
どんな役のときも器がでかいんだから。
 
父にも見せたいとは思うものの、なんというのか、終わり方が唐突。
映画を見慣れていればこの終わり方はありだし、余韻があっていい。
でも、ふだんあまり映画を見慣れていないと、えっ、これで終わり!?って思わんかなぁ。
どうしよう。

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