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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『エイブのキッチンストーリー』

2020年12月22日 | 映画(あ行)
『エイブのキッチンストーリー』(原題:Abe)
監督:フェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂ
出演:ノア・シュナップ,セウ・ジョルジ,ダグマーラ・ドミンスク,アリアン・モーイエド,
   マーク・マーゴリス,セーレム・マーフィ,トム・マーデロシアン,ダニエル・オレスケス他
 
TOHOシネマズ梅田で『君は彼方』を鑑賞後、テアトル梅田へ。
 
アメリカ/ブラジル作品。
ノア・シュナップ主演というのがウリらしいのですが、知らんし。
調べてみたら、TVドラマ“ストレンジャー・シングス 未知の世界”に出演しているそうで。
“ストレンジャー・シングス”では彼の母親役がウィノナ・ライダー。へ〜っ!
ショーン・レヴィ監督によるホラーとのこと。それって凄く面白そう。
 
という他作品の話はさておき、本作も面白い。
ノア少年はめっちゃ美形で、売れっ子であるのも納得。
 
ブルックリンに暮らす12歳のエイブラハム(通称エイブ)は料理が大好き。
両親からとても愛されているが、家庭環境はかなり複雑。
父親はパレスチナ出身のムスリムで、母親はイスラエル出身のユダヤ人だから。
 
両親は15年前に双方の家族の反対を押し切って結婚した。
今では一応和解してイベントのたびにどちらも同時に招いているが、
お互いに嫌味を言い合ったりして、決して雰囲気はよくない。
 
エイブはどちらの宗教も無理強いされてはいないものの、
双方の祖父母がそもそもエイブとは呼ばず、
イブラヒム、アブラハムと異なる呼び方をするのだ。
ムスリムの習慣に倣えば父方の祖父母が喜び、
ユダヤの習慣に倣えば母方の祖父母が喜ぶ。両親だって同じ。
 
ほとほと疲れ果てたエイブは、ネットで見つけたブラジル人シェフ、チコの屋台を覗く。
両親は夏休み中に子どもを対象としたクッキングスクールにエイブを入れるが、
そこをこっそり抜け出したエイブは毎日チコのもとへと通い……。
 
対立する家族をエイブの料理は救えるか。
現実的には無理かもしれません。
日本人には理解しづらい宗教問題を少年の料理でなんとかできるとは思えない。
でも、美味しいものは美味しい。憎み合いたいわけでもない。
心を痛めている孫を見て、いがみ合うのをやめることはできるはず。
ちょっと泣けます。
 
みんなで同じ美味しいものを食べたなら、気持ちは変わる。
フュージョン料理ってワケわからんと今まで思っていたけれど、こういうことなのですね。
うまい具合に Mix it up!!

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