『コヴェナント/約束の救出』(原題:Guy Ritchie's the Covenant)
監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイク・ギレンホール,ダール・サリム,アントニー・スター,アレクサンダー・ルドウィグ,
ボビー・スコフィールド,エミリー・ビーチャム,ジョニー・リー・ミラー他
TOHOシネマズなんばにて。
マドンナの元旦那(いつまで言う(笑))ガイ・リッチー監督自身が脚本も執筆。
実話かと思ったら、実情を背景にしたフィクションなのだそうです。
平日のTOHOシネマズなんば、小さめシアターでの上映ではあるものの、ほぼ満席の客入り。
2018年のアフガニスタン紛争のさなか。
米陸軍特殊部隊の曹長ジョン・キンリーとその部隊は、通行車両の検査中に不審なトラックを発見。
積み荷を点検しようとしたところ、トラックごと爆発。そばにいた通訳が命を落とす。
替わって雇うことになった通訳は、元タリバンのメンバーだったというアーメッド。
なぜ彼が寝返ったかというと、目の前でタリバンに息子を殺されたから。
アーメッドは優秀な通訳であり、高い戦闘力も携えているが、これまでの所属先では問題視されていた。
というのも、確かな目と直感力のせいで勝手な行動を取ることがあるから。
キンリーのもとでもそんな態度が見受けられたが、アーメッドの勘はいつも正しく、
そのおかげでキンリーの部隊は命拾いすることがたびたび出てくる。
ある日、米軍基地から100キロ以上離れた場所にタリバンが爆弾庫を設置していることがわかり、
早急に潰すべく、部隊は現地へと向かう。
ところが、キンリーらが到着してすぐにタリバンもやってきて、凄絶な撃ち合いに。
キンリーとアーメッドを除いて部隊の全員が死んでしまう。
タリバンは生存者ふたりを血眼になって探す。
米軍基地を目指してひたすら突き進んでいたふたりだったが、途中見つかって襲撃される。
キンリーは瀕死の重傷を負って自身で歩くことは不可能なばかりか、意識も遠のいて……。
前半はキンリーの部隊とタリバンの戦い、および、キンリーとアーメッドが歩くところ。
そして倒れたキンリーをアーメッドがひとりで運ぶところが描かれています。
自分を通訳として採用し、信じてくれた曹長ではあるけれど、
百数十キロも離れた米軍基地へ運ぶほどの義理はないでしょう。
しかもそこら中にタリバンがいて、生け捕りの機会を狙っている。
捕まれば殺されるより酷い拷問が待っているはず。
アーメッドには妻と生まれたばかりの赤ん坊がいて、一刻も早く帰りたい。
なのにアーメッドは決してキンリーを見捨てようとしません。
通訳としての腕前もさることながら、めちゃめちゃ強いんですよ、アーメッドって。
さらには、道中見かける人のことも信用できるかどうか即座に見極める能力がある。
アーメッド役のダール・サリムが素晴らしい。
アーメッドのおかげで米軍基地へ辿りつくことができたキンリーは病床で目覚め、
命の恩人がまだアフガニスタンにいて、タリバンから追われていることを知ります。
自分もアーメッドも英雄。だけどアーメッドはタリバンの面目を潰したから許されない。
そのせいで妻子を抱えて町を転々としているらしい。
ビザさえ発給されれば、アーメッド一家はアメリカに渡れるのに。
後半は、キンリーがアフガニスタンへ戻ってアーメッド一家を探します。
超ナルシストの噂があってもやっぱり私は好きだなぁ、ジェイク・ギレンホール。
そして、妻役のエミリー・ビーチャムも美しい。
夫がアフガニスタンへ戻るなんて言ったら、何を言っているんだと止めそうなところ、
家を抵当に入れてまで資金を工面して命の恩人を探し出せという奥さん。泣く。
これはネタバレになっちゃいますけれど。
タリバンに入国がバレないように偽名で入国するキンリー。
キンリーとアーメッドを救出する仕事を請け負った民間軍事請負会社のエディ・パーカーは、
キンリーの正体を知らないから、政府の仕事を優先しようとします。
3日待ってくれたら精鋭チームでふたりを救出するというパーカーに、
キンリーは一刻の猶予もないからアーメッドを自分で探し出すと言う。
本当にそうしてアーメッドを見つけたキンリー。
もう駄目かと思った瞬間にド派手に登場してキンリーとアーメッド一家を救ったとき、
パーカーが放った台詞。「ジョン・キンリーだと知っていたら、俺の自費を出してでも助けたぜ」。
彼役のアントニー・スターって初めて聞く名前ですが、カッコよかった~。
あ、この俳優と台詞がカッコよかったと言いたかっただけなのに、長くなっちゃった(笑)。