夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『雨の中の慾情』

2024年12月11日 | 映画(あ行)
『雨の中の慾情』
監督:片山慎三
出演:成田凌,中村映里子,森田剛,足立智充,中西柚貴,松浦祐也,梁秩誠,李沐薫,伊島空,李杏,竹中直人他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『虹、結』の次に。
 
本編開始直前まで客がほかにいなかったので、また“おひとりさま”かと思ったら、もうひとり来場。
しかも私と同じ列にご着席に。5つぐらい離れた席だけど。女性客でよかった。
これ、R15+指定なんですよね。濡れ場だらけだったから、もうひとりが男性客だと気まずかったかも。
 
つげ義春の同名短編漫画を片山慎三監督が実写映画化。
片山監督の単独作は『岬の兄妹』(2018)も『さがす』(2021)もキツそうで避けてきました。だからこれがお初。
でも、高校生の時分からつげ義春ファンだった者としてはこれを観ずにはいられません。
ほぼ全編にわたる台湾ロケだと聞いてなるほど。日本のようで日本じゃない。確かに異国情緒に溢れています。
 
貧しい北町と富裕な南町に分かれる地で、北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。
アパートの大家・尾弥次(竹中直人)に頼まれて、美貌の女性・福子(中村映里子)の引っ越しを手伝わされる。
義男と共に呼び出された自称小説家・伊守(森田剛)は、「福子は離婚したことになっているが、
あんな美人と不細工な男がくっつくはずがない、きっと亭主は殺されてその辺に埋められているだろう」と笑う。
 
福子はカフェーの女給の職に就き、常連たちの多くが彼女にぞっこんに。
義男もそのうちのひとりだったが、あるときすでに伊守が福子をモノにしたと知って呆然。
それでも、福子のそばにいられるならと伊守から持ちかけられた儲け話に乗るが、とんだ詐欺話で、伊守自身も騙されていた。
詐欺の首謀者だと思われて逃げざるをえなくなった伊守と福子は義男の家に転がり込むのだが……。
 
夢か現かはかりかねる描写の連続ですが、結局すべて夢だったのねということ。
夢の中の尾弥次は片方の脚と腕を損傷していて、現の義男はその逆の脚と腕を損傷している。
鏡映しになっているところなども面白く、めくるめく夢の世界に不思議な気分を味わえます。
 
福子役の中村映里子の艶めかしさ。こんなに脱ぎまくりヤリまくりでR15+ですか。
R18ってどないやねんと思ってしまいそう。飲酒運転ってどれだけ飲んでる人やねんと思うのと同じ感覚(笑)。
 
つげ義春を読んだことのない人、映画は娯楽作に限るという人には鑑賞をお勧めできない作品です。
けど、つげ義春に興味のある人は本作で体験してみてもいいかも。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『虹、結』

2024年12月11日 | 映画(な行)
『虹、結』
監督:大原誠弍
出演:髙木七海,海道力也,中野良美,鈴木タカラ,森由佳,小槙まこ,藍星良,春風亭昇太,
   市山貴章,米﨑亮,佐々木綾香,藤川学,藤川光代,仲田幸子,ひーぷー,TOMOKI他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
2022年に沖縄本土復帰50年を記念して製作されたのが『風が通り抜ける道』という作品。
本作はそのスピンオフに当たる作品なのだそうです。
客はもしかすると私ひとりかと思ったけれど、昔から沖縄絡みの作品はよく客が入っていて驚く。
沖縄の人は故郷をこよなく愛しているのだろうなぁといつも思います。
 
『風が通り抜ける道』を観る機会がなかったので、登場人物の人間関係も背景もまったく知らないまま鑑賞しました。
 
大阪市此花区の実家を出た月皐(つきさつき)(髙木七海)は東京でOLに。
上司(春風亭昇太)から言われた仕事はすべて完璧にこなし、同僚たち(森由佳&小槙まこ)の尻拭いもしてきた。
しかし自ら意見を述べることは皆無なせいで、向上心がないなどと言われている。
 
あるとき、同僚が手配した合コンの場に向かうと、相手はイケメンじゃないうえに金もなさそう。
同僚は用事ができたことにして即帰ろうと言い、それはあまりに失礼だと非難した皐は翌日同僚から嫌がらせを受ける。
上司も味方になってはくれず、理不尽に感じた皐は仕事を辞め、大阪へと帰る。
 
実家の前までは来たものの、厳しかった父親・幸蔵(海道力也)に会うのは怖い。
どうしたものかと迷って公園で佇んでいたところ、旧友・新垣香澄(佐々木綾香)に遭遇。
香澄の家に招かれた皐は、彼女の夫・将司(福地清)が沖縄出身だと知る。
 
香澄と将司に悩みを聴いてもらったのち、将司から沖縄の人の温かさを聞き、皐は沖縄へ行くことを決意して……。
 
こんなことを言うのは本当に申し訳ないのですが、ご当地ムービーにありがちなのは、
出演者に素人も多いから、なんとなく作品全体が素人くさくなる。
さらに、ヒロインよりも同僚たちのほうが美人だったりして、
なのにヒロインのことを別嬪だとか綺麗だとかもてはやす台詞はどうかと思うんです。
皐ちゃんの化粧は相当濃くて、そのまつげはどうなんだとも思いますしね。
 
父親の幸蔵はいったいなんの仕事をしている人なんですか。
龍模様のスカジャンどころか、ジーパンにも同じ模様が入っているし。
妻を亡くして娘をちゃんと育てなきゃいけない一心で厳しくしていたっぽいけれど、かなりモラハラ入ってます。(^^;
再婚相手の美里(中野良美)はとても優しくて良い人で、皐が彼女を初めて「お母さん」と呼ぶときは感動的だけど、
あんなに「ここで泣け」と言わんばかりの展開だと、私はちっとも泣けないんです。
 
たくさんの人がこの作品を撮るために参加して、苦労もしながら楽しんで、そこに連帯感が生まれる。
沖縄の素晴らしさは十二分に伝わってきますしね。
大正区に沖縄の店が多い理由も知ることができました。
 
観ますよ、ご当地ムービーを。これからも。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする