23回目となりました。恒例におつきあいください。
12月19日に観たのが『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』と『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』で、
その日以前に劇場で観た作品についてはすべてUP済みだから、ここに挙げるのはそれ以外のDVDあるいは配信で観たものばかり。
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年レンタルや配信が開始されて視聴可能となった作品です。ネタバレ御免。
《あ》
『アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション』(原題:Alibi.com 2)
2023年のフランス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
開始後数分を観てから、見逃していた前作『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』(2017)を鑑賞してからのほうがよさそうだと思い、
まずそちらをAmazonプライムビデオを観たのちに本作を。
アリバイ工作を請け負う会社“アリバイ・ドット・コム”は迅速綿密に立てた計画のもと、
常に依頼人の要望に応えてアリバイ工作を成功させてきたが、
社長のグレッグは前作で嘘が大嫌いな女性フローと運命的な出会いを果たし、
もう嘘はつかないと決めて“アリバイ・ドット・コム”を廃業する。
本作ではグレッグとフローの結婚が決まり、挙式に向けて話が進む。
しかし、両家の顔合わせをする段になり、グレッグは大弱り。
こんな親をフローの親と会わせたら、間違いなく破談になるだろう。
そこでグレッグはかつての仲間オーギュスタンとメディと共に“アリバイ・ドット・コム”を再結成。
オーディションで雇った偽の両親を呼び、この局面を乗り切ろうとするのだが……。
笑えないフランスのコメディ作品も多いなか、監督と主演を務めるフィリップ・ラショーはかなり笑わせてくれる人。
期待値が高すぎたせいもあって、それほど大笑いというわけではなかったけれど、
この馬鹿馬鹿しさは憎めません。続編も作るんだろうなぁ。
《い》
『イン・ハー・プレイス』(原題:El lugar de la Otra)
2024年のチリ作品。Netflixにて配信。
1955年にサンティアゴで実際に起きた事件をモチーフにした作品。
著名な女流作家マリア・カロリーナ・ギールがホテルで恋人を射殺。
この事件を担当することになった判事の助手を務めるのは、ごく控えめな女性メルセデス。
自宅で写真館を営む夫の良き妻であり良き母親であるが、
マリアの自宅を調査する仕事に就くうち、その人柄に興味を持つとともに、
社会における女性の扱われ方に疑問を抱くようになり……。
マリアが恋人を殺したホテル・クリヨンがそもそも女人禁制ゆえ、
判事について行って現場を見ようにも、メルセデスにはホテルに入ることが許されません。
世の男性たちはもちろんのこと、夫も息子たちもそして義父母たちも、
女性の扱いについておかしいなんてことはまったく思っていない。
プレゼントひとつにしても、男性陣には彼らのほしいものが渡されるのに、
メルセデスには「壊れていた掃除機を直したよ。嬉しいだろ」って。
会ってもいないのに、マリアとメルセデスの間に生まれる絆。
今のチリってどんなふうですか。まだまだ家父長社会のままなのでは。
《う》
『うさぎのおやこ』
2023年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
地味に見えてその活躍は決して地味ではない上西雄大監督。
本作も2023年度のミラノ国際映画祭で外国語長編映画最優秀作品賞と主演女優賞をW受賞。
軽度の知的障害を持つ来栖玲(清水裕芽)は22歳だが、小柄なこともあって見た目はまるで子ども。
玲の唯一の理解者だった精神科医の急死により、玲は孤立している。
そんなとき、後任となった精神科医の恵比寿(上西雄大)が訪れる。
最初は恵比寿に対して拒絶の意思を見せる玲だったが、次第に心を開きはじめる。
梨加から働けと言われた玲は仕事を探しに出ると、
そんな仕事とは知らずにデリヘルのバイトに応募し、契約書にサインしてしまい……。
上西監督の作品は常に社会的弱者が主人公で、観ていてつらくなるものが多いけど、
本作は上映時間が90分を切る短め作品ということもあり、普段よりおとなしめで穏やか。
玲を助けるデリヘル嬢かな役の華村あすかが可愛かった。元グラドルなんですね。
《え》
『エレベーター・ゲーム』(原題:Elevator Game)
2023年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
“未体験ゾーンの映画たち 2024”にて上映。
都市伝説を検証する番組を配信する若者のチーム。
学生時代に小遣い稼ぎのつもりで始めたことだが、今はスポンサーもついている。
そのスポンサーから逃げられそうになり、急いでネタを見つけることに。
番組のファンだというライアンが手伝いたいとやってきて、“エレベーター・ゲーム”を検証してはどうかと言う。
過去にエレベーターに乗ったきり行方不明の女性がいるというビルに侵入したチームは、
都市伝説“エレベーター・ゲーム”で噂される手順を踏んで検証することに。
まずエレベーターに乗り、4F→2F→6F→2F→10F→5Fの順で移動する。
5Fに着くと女が乗ってくるはずだが、見ても話しかけても駄目。目を瞑っていること。
扉が閉じたら1Fのボタンを押す。ゲームに成功していれば1Fに降りられるが、
もしも5Fで目を開けて女を見てしまった場合はエレベーターは上昇し、赤い異世界へ。
もしくは5Fの女に無残に殺されるらしく……。
ライアンが実は行方不明になった女性の兄で、妹のことを調べるためにチームへ来ました。
妹がチームのゲス男クリスに唆されてエレベーター・ゲームに挑戦した末、
それっきり行方がわからなくなったことを皆がが知ります。
5Fの女の正体は、かつてエレベーターの昇降路に閉じ込められて箱に粉砕された気の毒な女性。
いろいろと面白い要素はあって、それなりに怖かったものの、
手順を守っているのに結局異世界へ連れて行かれるし、ストーリーとして破綻気味。
最後まで生き残ると思われた常識的でいちばん信頼できそうなクロエも殺されて、バッドエンド。
とりあえず知らないビルのエレベーターに乗るのは怖くなるかも。
《お》
『オン・ザ・フロント・ライン 極限戦線』(原題:Myrnyi-21)
2023年のウクライナ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
“未体験ゾーンの映画たち 2024”にて上映。
2014年、ウクライナ南東部に位置するドンバス地方。
武装蜂起した親ロシア派とウクライナ政府軍の戦闘が繰り広げられている。
兵士たちのみならず、兵士の家族や恋人などの目線でも描かれています。
ボンクラ息子だと思っていたら、最期は仲間のために命を張ったことを知る父親とか。
外は凄まじい戦地と化していても子どもは生まれる。
『マリウポリの20日間』のように病院まで砲撃を受けることがないようにと祈るばかり。
ただ、深刻な話でありながら、娯楽色が強すぎる。
「本物の迫力&極限の緊迫感を体験する、注目の戦争アクション大作!!」と謳われても、
本物のロシアvsウクライナに思いを馳せることはとてもできません。