『雨の中の慾情』
監督:片山慎三
出演:成田凌,中村映里子,森田剛,足立智充,中西柚貴,松浦祐也,梁秩誠,李沐薫,伊島空,李杏,竹中直人他
イオンシネマ茨木にて、前述の『虹、結』の次に。
本編開始直前まで客がほかにいなかったので、また“おひとりさま”かと思ったら、もうひとり来場。
しかも私と同じ列にご着席に。5つぐらい離れた席だけど。女性客でよかった。
これ、R15+指定なんですよね。濡れ場だらけだったから、もうひとりが男性客だと気まずかったかも。
片山監督の単独作は『岬の兄妹』(2018)も『さがす』(2021)もキツそうで避けてきました。だからこれがお初。
でも、高校生の時分からつげ義春ファンだった者としてはこれを観ずにはいられません。
貧しい北町と富裕な南町に分かれる地で、北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。
義男と共に呼び出された自称小説家・伊守(森田剛)は、「福子は離婚したことになっているが、
あんな美人と不細工な男がくっつくはずがない、きっと亭主は殺されてその辺に埋められているだろう」と笑う。
福子はカフェーの女給の職に就き、常連たちの多くが彼女にぞっこんに。
義男もそのうちのひとりだったが、あるときすでに伊守が福子をモノにしたと知って呆然。
それでも、福子のそばにいられるならと伊守から持ちかけられた儲け話に乗るが、とんだ詐欺話で、伊守自身も騙されていた。
詐欺の首謀者だと思われて逃げざるをえなくなった伊守と福子は義男の家に転がり込むのだが……。
夢か現かはかりかねる描写の連続ですが、結局すべて夢だったのねということ。
夢の中の尾弥次は片方の脚と腕を損傷していて、現の義男はその逆の脚と腕を損傷している。
鏡映しになっているところなども面白く、めくるめく夢の世界に不思議な気分を味わえます。
福子役の中村映里子の艶めかしさ。こんなに脱ぎまくりヤリまくりでR15+ですか。
R18ってどないやねんと思ってしまいそう。飲酒運転ってどれだけ飲んでる人やねんと思うのと同じ感覚(笑)。
つげ義春を読んだことのない人、映画は娯楽作に限るという人には鑑賞をお勧めできない作品です。
けど、つげ義春に興味のある人は本作で体験してみてもいいかも。