『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』
監督:穂坂友紀
ナレーション:萩原聖人
前述の『バーン・クルア 凶愛の家』の次に、同じくイオンシネマ茨木にて。
11月17日放送分の『情熱大陸』をTVerで視聴しました。
その拡大版が本作のようです。
1996年に人気絶頂だったSMAPから脱退した森且行。
別にSMAPのファンでもなければ森くんのファンでもなかったのでなんとも思いませんでしたが、
それでもあんなに人気のアイドルグループから抜けるなんて、
しかもそれほどメジャーとはいえない職業オートレーサーになるなんてと思った覚えはあります。
幼少時、父親に連れられてしょっちゅうオートレース場に行ったという森くん。
オートレーサーはゴレンジャーのような存在でとにかく格好良く見えたと。
父親の影響でオートレースが好きになったというから父子仲良しかと思ったら、ずいぶん複雑な家庭環境だったのですね。
まず母親がいなくなり、父親もいなくなった。
父親が7人きょうだいだったおかげで、おじおば家庭を順番にめぐるような形で育てられる。
だからって肩身の狭い思いをしていたわけではなくて、そうだったからいろんな人と接するのが得意になったと笑います。
2020年についに日本一に輝いたのに、その数カ月後、他者の落車に巻き込まれて彼も落車。
生死さえどうなるかわからないほどの大怪我を負います。
兄によれば、森くんは救急車で「兄貴、俺、足の感覚がないんだよ」とつぶやいていたらしく、
医師からはレース復帰は絶望的どころか、良くても車椅子だと言われたそうです。
しかし彼自身は復帰することしか考えていません。
体に信じられないほどのボルトや板を詰め込まれながらリハビリに励む。
医師は「彼から『治りますか』と聞かれたことはない。『治します。レースに復帰します』だった」と振り返ります。
レースに復帰するにはどうすればいいか。目標に向かってただただリハビリ。
本人のため、家族のため、ファンのため。
そして、彼を落車に巻き込んだせいで誹謗中傷を受けた後輩選手のためにも必ず復帰する。
麻痺が治る可能性はわずか1%。誰もがあきらめそうな数字なのに、彼には1%あればじゅうぶん。
レース中に麻痺が起こる可能性を懸念しつつも下位クラスに復帰して優勝。
そこから元のクラスに戻って勝利を収める姿は感動的です。
慎吾ちゃん、つよぽん、中井くんの名前も出てきて、親交がまだ続いていることがわかるのも嬉しい限り。