『シニアイヤー』(原題:Senior Year)
監督:アレックス・ハードキャッスル
出演:レベル・ウィルソン,ゾーイ・チャオ,サム・リチャードソン,メアリー・ホランド,ジャスティン・ハートリー,
クリス・パーネル,アヴァンティカ,ジョシュア・コリー,マイケル・チミノ,ジェイド・ベンダー他
先週金曜日に配信が開始になったばかりのNetflixオリジナル作品です。
タイトルの“Senior Year”は高校の最終学年を指しています。
冴えない中学生だったステファニーは、高校デビューすることに成功。
「目立たない組」から「イケてる組」に転身し、チアリーダーのキャプテンに。
アメフト部の一番人気の男子ブレインを射止めてバラ色の生活を送っている。
プロムではブレインがキング、自分はクイーンに選ばれることが確実。
しかし、中学生当時にブレインの元カノでイケてる組だったティファニーは、
調子に乗っているステファニーを痛い目に遭わせてやろうと、
チアリーディングのピラミッドの頂点からくるり回転して飛び降りる彼女を
誰も受け止めないように仕組む。床に落下したステファニーは、昏睡状態に。
意識不明のまま20年が経過した2022年、突然ステファニーが目覚める。
寝たまま37歳になった自分のことをどうしても受け入れられないステファニーは、
失った高校時代を謳歌するため、在籍していた高校に通いはじめるのだが……。
本物の高校生だったときのステファニー役をアンガーリー・ライスが演じていますが、
この高校時代のステファニーが相当イヤな女子なんです。
中学の時から片想いしていたブレインとつきあいたいがために自分を変えるのはいいけれど、
冴えない自分とずっと親しかったマーサ(♀)やセス(♂)とはオサラバ。
と言っても利用するだけ利用して、仲が良いことは人前では伏せる感じで。
チアリーディングチームでもとにかく自分が目立つようにしたいのがステファニー。
20年間昏睡するぐらいの怪我を負わされるのは酷いけど、自業自得なところはあるわけです。
37歳のステファニーを演じるのはレベル・ウィルソン。
ご存じの方も多い女優だと思いますが、目鼻立ちはハッキリしているけれどまぁまぁのデブ。
だから、37歳の美人が高校生にまじって爽やかな青春時代を過ごす話ではありません。
20年の間に世の中は変わり、生徒を順位づけることはなくなっています。
チアリーディングチームでも全員がキャプテン(笑)。
プロムも当然開催されないことになっていて、ステファニーは全然面白くない。
しかも学校一の人気者は、あのティファニーの娘なのですから。
子どもを競わせない世の中になっているはずなのに、皆SNSのフォロワー数を競う。
ステファニーが「イケてる人はこの3つしかない」と挙げる3つには笑いました。
ひとつ、チアリーダー、ふたつ、アバクロの店員、みっつ、尻でやる人ですって。
さて、それがもはやイケていない今、ステファニーはどうやってティファニーに対抗するのか。
序盤はイライラして最後まで耐えられるかどうか不安でしたが、結果的には観てよかった。
チアリーダーたちを演じる役者は男女ともに可愛いうえに、歌って踊れる面々。
特にジャネット役のアヴァンティカとヤズ役のジョシュア・コリーに注目したい。
ミュージカルばりにみんなで踊るラストは超明るくて、幸せな気持ちになれます。
アリシア・シルヴァーストーンのカメオ出演には驚きました。かつてイケていた人の象徴か。
『また、あなたとブッククラブで』(2018)にも出演していたはずですが、印象に残らず。
本作の彼女は、将来のことをちゃんと考えて、勉強もしぃやと言ってます。(^o^)
父親にスマホをねだるステファニーに対して、父親が「20年間流動食で生きてきたんだから、
ケータイがなくても生きていけるさ」と言うのにも笑った。ま、そうか(笑)。