夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2004年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『ナショナル7』(原題:Nationale 7)
1999年のフランス作品で、日本では一昨年公開。
レンタル店には置いていないところが多く、
今年スカパーでやっと観ることができました。
国道7号線近くの成人障害者のための施設。
その面々は、パンクの兄ちゃんや、イスラム教徒のゲイなど個性的。
厄介なのは車椅子のルネ。常に反抗的態度を取り、
女性看護師ジュリにはポルノビデオを買いに行かせ、恥をかかせる。
しかし、献身的なジュリにやがてルネも心を開き始める。
ある日、ルネは意を決してジュリに自分の望みを告白。
それは健常者の女性とセックスしたいというものだった。
とまどうジュリだが、なんとかルネの願いを叶えるべく、
トレーラーで客をとる娼婦に直談判に赴く。

こういう話題はタブーに近いし、
肝心な点ははぐらかされてしまうことが多いですよね。
私が思い出すのは10年近く前のドラマ『ピュア』。
堤真一と、和久井映見演じる知的障害者が恋に落ちる話でした。
しかし、障害者との性という問題に及んだ瞬間、
堤真一が事故に遭って死亡。都合よすぎ。

この作品では身障者の性をしっかりと、
でもユーモアたっぷりに描いています。
ほんとにとてもいい作品。
実話がベースになっていて、モデルとなった人物たちもエンディングに登場します。

《に》
『N.Y.式ハッピー・セラピー』(原題:Anger Management)
気弱な青年デイヴは飛行機内で隣席となった男のせいで、
乗務員からあらぬ疑いをかけられ、逮捕されてしまう。
無実を訴えるものの、誤解は解けず。
裁判所で「怒りを抑制するセラピー」を受けるようにと命じられる。
仕方なく指定された精神科医のもとを訪れたところ、
こともあろうかその医師は、機内の隣席の男だった。
デイヴにはアダム・サンドラー。
彼は日本ではあまり馴染みがないようですが、
アメリカでは絶大な人気を誇るコメディ俳優。
精神科医にジャック・ニコルソン。
期待を裏切らず笑わせてくれるコンビで、他の出演陣も曲者役者ばかり。
ま、でも、こんなもん。

《ぬ》《ね》
つまずきました。どちらもなし。

《の》
『ノックアラウンド・ガイズ』(原題:Knockaround Guys)
ストリート・ギャングの4人がマフィアとしての初仕事。
大金の回収を命じられるが、マフィアの金とは知らない若者に盗まれる。
そこに横取りを企む汚職警官も絡んで……。
こちらもジョン・マルコヴィッチをはじめ、
大人気のヴィン・ディーゼルなどキャストは豪華。
それだけ。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2004年12月27日 | 映画(た行)
《た》
『タイムリミット』(原題:Out of Time)
フロリダのとある警察署長マットは、
不倫相手のアンから末期癌であると打ち明けられる。
彼女の治療費を工面するため、署の金庫から現金を持ち出して渡す。
しかし、その夜、アンの家が放火される。
アンと夫は遺体で発見。渡した金はどこへ?誰が?
不倫がバレても困るので、焦るマット。どうする?
黒人俳優としては38年ぶりにオスカーの主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントン。
それ以降、なんだか普通の作品にばっかり出演。
本人は、黒人にもこんな普通の役がまわってくるんだって
それを言いたいらしいのですが。

《ち》
『チャーリーと14人のキッズ』(原題:Daddy Day Care)
広告会社のエリート・サラリーマン、チャーリーは突然クビに。
失業中の身では、息子を有名保育園に通わせる費用もばかにならない。
安い保育園はヤバそうなとこばかり。
そこでチャーリーと元同僚フィルは自宅で保育園を始めるのだが……。
最近出番の少ないエディ・マーフィだけど、
家族で安心して見られるコメディなのでした。

《つ》
『ツインズ・エフェクト』(原題:千機變)
香港の作品。ジャッキー・チェンも脇役で出演。
吸血鬼の王族に伝わる秘伝の書を開くためには、王子6人の生き血が必要。
ヨーロッパの吸血鬼公爵は5人の王子を襲い、
残る1人であるカザフ王子(なぜか香港在住)を追ってくる。
吸血鬼ハンターのリーヴも、軍団の襲来を阻止すべく、カザフの居所を探し始める。
しかし、リーヴの妹とカザフが恋に落ちて……。
良い吸血鬼は「血は飲んでも、吸わん」。
ワインのボトルに“BLOOD”と書いてあるのがお洒落。
娯楽度満点。

《て》
『10ミニッツ・オールダー』(原題:Ten Minutes Older)
15人の名だたる監督が10分間という枠を定めて撮った、実に興味深いショート・フィルム集。
“イデアの森”(原題:The Cello)と“人生のメビウス”(原題:The Trumpet)の2本の映画に分けられています。
特に秀逸なのは後者。
トリを飾るチェン・カイコー監督の「夢幻百花」はすごい余韻。

《と》
『東京原発』
役所広司演じる東京都知事が局長たちを臨時招集。
知事は「東京のど真ん中に原発を誘致する」と爆弾発言。
会議室では激論が交わされる。
一方、お台場にはプルトニウムを乗せた船が密かに到着。
政府は抗議運動の目をかいくぐるため、
普通の運送会社のトラックを使って福井県まで運び込もうとしていた。
原発を考える機会にはなります。
ほんまにこんな運び方、してるんかもなぁ。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2004年12月24日 | 映画(さ行)
《さ》
『サハラに舞う羽根』(原題:The Four Feathers)
1902年に出版された文学の名作を英米合作で映画化。
日本では映画化後に翻訳が出版されました。
19世紀末、スエズ運河の利権を得ようと、
英仏両国は北アフリカに政治的介入を強める。
これに反発したエジプトが民族解放を唱え、
エジプト領であるスーダンでも独立運動が起こる。
情勢を鎮めるため、英国の部隊に派兵が要請されるが、
軍人の家系に生まれた将校ハリーは、出兵直前に除隊を申し出る。
ハリーのもとへは友人たちから白い羽根が送り届けられる。
それは臆病者を意味する羽根だった。
のちに単身サハラへ向かうハリーを守るアブー役、
西アフリカ出身のジャイモン・フンスーが素晴らしい。

《し》
『しあわせな孤独』(英題:Open Hearts)
デンマークで大ヒットした作品。
婚約中のセシリとヨアヒムは幸せいっぱい。
が、ある朝、ヨアヒムが事故に遭い、全身麻痺に。
ヨアヒムをはねたマリーの夫は医者のニルス。
セシリのことを気づかううちに不倫関係に。
ドグマ独特の雰囲気。
幸せを知ったあとに訪れた孤独はなんとエグい。

《す》
『スプリング・ガーデンの恋人』(原題:Hope Springs)
英国人の肖像画家コリンは婚約者ヴェラに手ひどく振られる。
傷心のコリンはホープという小さな町へ。
町の人々の肖像を描きながらぼんやり過ごす彼のもとへ
宿の女主人の計らいで、ボランティア・カウンセラーのマンディが訪れる。
やっと傷も癒えた頃、コリンと寄りを戻すべくヴェラが押しかけてきて……。
あまりにフツーのラブ・コメディ。
『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の続編がもうじき公開ですが、
マーク役のコリン・ファース主演だということぐらい、見どころは。
でも、毒はないので、暇つぶしにはなるかも。

《せ》
『セブンス・アニバーサリー』
『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)の行定勲監督の作品。
冒頭は主人公ルルがトイレで気張るシーン。
彼女は失恋するたびに尿道結石で苦しむ。
毎回なんとか出した石を標本にしてコレクション。
7度目の失恋で彼女から生まれた石はいままで以上に綺麗な石だった。
やがて彼女の石に価値が付きはじめ……。
セカチューは未見ですが、これは好き。
ある夜、見あげた月があまりに美しくて、
この月を今日見られたことに感謝するシーンがよかった。

《そ》
『Songcatcher 歌追い人』

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途中ですが……今年最悪だった映画

2004年12月21日 | 映画(か行)
「今年観た映画50音順」の列挙途中ですが、
《か》でホントは最初に思い出したのが『彼氏がステキになったワケ』。
これ、私の今年のワースト作品。最悪。

監督は『ベティ・サイズモア』(2000)や『抱擁』(2002)のニール・ラビュート。
それだけで期待度大。

さらに期待度を高める主演のレイチェル・ワイズは、
『ハムナプトラ』(1999)でブレイクしたエキゾチックな美人。
『アバウト・ア・ボーイ』(2002)では
お気楽な主人公(ヒュー・グラント)が思いを寄せる女性役。
『ニューオーリンズ・トライアル』(2003)では
主人公(ジョン・キューザック)とともに罠を仕掛ける女性役。
メジャー級になる前は小粒の佳作への出演も多く、
そんな彼女が製作にまで名を連ねたこの作品は
おもしろくないはずがなかろうと思いました。

が、しかし。ヒドい、ヒドすぎる。
あらすじはこんな感じ。
美術館で警備のバイトをする大学生アダムは、展示品に近づく不審な美女を見つける。
彼女は同じ美大に通うイヴリン。
展示品の完成度に不満を持つ彼女は、作品にいたずらしようとしていたのだ。
これがきっかけでふたりは交際を始める。
どこから見ても冴えないアダムは、イヴリンの影響で洗練され、
どんどん格好よくなっていくのだが……。

ユニバーサル・ピクチャーズの宣伝ページを見たら
「レイチェル・ワイズのセクシーな魅力が輝く
刺激的&斬新なラブ・コメディ!」と書いてある。
こんな軽い邦題(原題は“The Shape of Things”)からはそうとしか思えんでしょう。
が、ふざけすぎ、毒盛りすぎ、腹立たしい、ムカつく。

どんなしょうもない映画を観ても、それはそれで楽しむところがあって、
「金返せ」なんて思うことはめったにありません。
が、これは日本で未公開、
200円でレンタルしたことが救い。映画館で観てたらきっと暴れてる。
こんなに後味の悪い映画はひさびさ。
いやはや、ほんまにヒドイ。ナメとんか~!

でも、「許せない」と思うところって、人によってさまざまですね。
私の「許せないツボ」はこの作品だったけど、
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003)を許せないという人もいたりして、
ツボのちがいを人と話してみるのもおもしろいもんです。

あなたのツボはどこでしょう?

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今年観た映画50音順〈か行〉

2004年12月17日 | 映画(か行)
《か》
『カレンダー・ガールズ』(原題:Calendar Girls)
1999年、各国でニュースとして取りあげられた、
イギリスの婦人会発売のヌード・カレンダー。
この実話を基にしたドラマ。
アニーとジョンは仲睦まじい夫婦。
ある日、ジョンが病死し、アニーの親友ヘレンは、
ジョンが世話になった病院に革製のソファを寄付しようと、
その資金集めに、自ら脱いでカレンダーを作ることを思いつく。
お堅い婦人会の面々は当然反対。だが、賛同する者も現れて……。
中年女性たちの力強さ、
妻が脱ぐことによる家庭の変化も描かれます。

《き》
『キル・ビル Vol.2』(原題:Kill Bill: Vol.2)
言わずと知れた『キル・ビル』(2003)の続編。
毒ヘビ暗殺団のメンバーを探して復讐の旅を続けるザ・ブライド。
前作がスプラッタまみれだったのに対し、愛に溢れた続編。
やっぱりタランティーノ、好き。

《く》
『グッバイ、レーニン!』(原題:Good Bye Lenin!)
ベルリンの壁崩壊前のドイツ。
アレックスの父は家族を残して西側へ亡命。
その反動で母は東ドイツ、すなわち社会主義に傾倒する。
ある日、デモに参加する息子を目撃した母は心臓発作を起こす。
母が昏睡状態にある間にベルリンの壁は崩壊。
目覚めた母にショックを与えぬようにと、
母の視界に入るものはすべて、統一前と同じ状態にアレックスは整える。
母を思う優しい嘘だけど、究極のマザコンやんとも思います。
でも、東西ドイツの問題は私の理解の域を超越するもの。
ちがう世界を見た気がします。

《け》
『ケリー・ザ・ギャング』(原題:Ned Kelly)
19世紀、イギリスの支配下にあるオーストラリア。
移民かつ犯罪者の息子であるために差別を受け、馬泥棒の罪を着せられた青年ケリー。
出所後、仲間たちと銀行強盗をくり返す。
押し入っても人を傷つけることなく、
奪った金品を貧しい人々に分け与えるスタイルから、
彼らは民衆の人気者となる。
『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフ役、オーランド・ブルームも出演。

《こ》
『恋は邪魔者』(原題:Down with Love)
レネー・ゼルウィガーとユアン・マクレガー共演。
「女の幸せに恋はいらない」と説いてベストセラー作家となったバーバラ。
モテモテ男だった記者キャッチャーは、
この本のせいで次々と女に愛想をつかされる。
プレイボーイとしての名誉を回復するため、
バーバラに恋の罠をしかけて、彼女の主張を嘘だと証明しようとするが……。
売れっ子ふたりが主演のわりにパッとしない。
60年代のファッションだけは目に楽しい。

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