夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マーク・アントニー』

2025年01月27日 | 映画(ま行)
『マーク・アントニー』(原題:Mark Antony)
監督:アーディク・ラヴィチャンドラン
出演:ヴィシャール,S・J・スーリヤー,スニール,リトゥ・ヴァルマ他
 
昨年より日本全国で巡回中の“第6回 インド大映画祭 IDE2024”。
その上映作品がついに塚口サンサン劇場にもやってきました。
 
ボリウッドは機会があれば結構観ているつもりだけど、ヴィシャールのことは記憶にありません。
タミル語映画界で人気のある俳優らしい。でもこの人は私の好みとかけ離れすぎていました。(^^;
 
科学者のチランジーヴィは、過去の人々と通話可能な電話を発明、長い年月をかけて完成させる。
まずは、かつて自分が送迎を怠ったせいで足を負傷した妻を救うため、当時に電話をかけて妻の怪我を防ぐ。
すると妻は怪我をすることもなく、夢だった教師の職に就いて現在の夫婦仲も円満に。
 
気をよくしたチランジーヴィが出かけたクラブでは、ギャングのアントニーと敵対するエカンバラムがひと悶着。
エカンバラムは自身の身内を殺したアントニーを銃殺し、巻き添えを食ったチランジーヴィも死んでしまう。
 
20年が経過し、アントニーの親友だったジャッキーが、アントニーの息子マークの親代わりを務めていた。
ジャッキーの息子マダンとマークは実の兄弟のように育ったが、
実はアントニーがエカンバラムに殺されたのはジャッキーが仕組んだことだったとわかり……。
 
チランジーヴィが死んでも、残された電話の使い方をマークやマダンが知るに至り、
過去に電話をかけては自分たちの親に忠告して現在を変えようとします。
電話をかけられるのは1日1回のみ。現在から過去にしかかけられません。
電話に出た相手が未来からの電話を信じずに切ってしまえば、もう同じ日にはかけられない。
 
話に慣れるまでが大変です。まず、名前を覚えられないじゃあないですか。
チランジーヴィはラーム・チャランの父親と同じ名前だから覚えられるとして、エカンバラムとか、無理。
父親と息子が出てくれば、どちらも同じ俳優が特殊メイクを施して演じていて、何が何だかわからない。
おかげで前半は睡魔に襲われた箇所がいくつもあります。
 
イケメンいない。イケメンじゃなくてもいいけど、好きなタイプとはかけ離れすぎ。
むさ苦しい兄ちゃん、いや、オッサンがいっぱい出てきてあーだこーだと言われてもウザいだけ。
終わってみれば、まぁ楽しくないわけじゃなかったけれど、私は今後ヴィシャールはパスします。
ほかに見たいボリウッド俳優はたくさんいるのですから。

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『エマニュエル』

2025年01月26日 | 映画(あ行)
『エマニュエル』(原題:Emmanuelle)
監督:オードレイ・ディヴァン
出演:ノエミ・メルラン,ウィル・シャープ,ジェイミー・キャンベル・バウアー,チャチャ・ホアン,アンソニー・ウォン,ナオミ・ワッツ他

前述の『サラリーマン金太郎 【暁】編』の次に、同じく109シネマズ箕面にて。

私と同年代の人なら誰でも知っているであろう“エマニエル夫人”。
と言っても、知っているのはあのジャケットと音楽だけだという人が多いでしょうね。
だって女性はほぼ観る機会がないですもの。私も中身は知りませんでした。

原作者のエマニエル・アルサンがタイ・バンコクの出身で、16歳のときにフランスの外交官と結婚した女性だというのも今回知ったこと。
映画化のさいに主演したシルビア・クリステルは、60歳で亡くなるまでずーっとエマニエル夫人のイメージしか無し。

今回のリメイク版の監督は『あのこと』(2021)のオードレイ・ディヴァン。
主演は『燃ゆる女の肖像』(2019)や『TAR/ター』(2022)のノエミ・メルラン。
原作の舞台だったバンコクを香港に移して。R15+指定のフランス作品。
平日のレイトショー、客は私ともうひとり、女性のみ。男性だと気まずくなりそうだからよかった(笑)。

エマニュエル・アルノーが香港の高級ホテル“ローズフィールドパレス”にチェックイン。
彼女はこのホテルのオーナー企業に勤めており、ここに滞在して各分野の審査をするのが今回の仕事。
上司から特に指示されているのは、同ホテルの責任者であるマーゴ・パーソンのアラを探すこと。
マーゴが就任して以来、ホテルのランキングがひとつ下がったため、彼女をクビにする理由がほしいというわけだ。

エマニュエルはサービスをチェックしながら、マーゴをはじめとするホテル関係者や常連客と交流。
中でも気になるのは、プールサイドに頻繁に姿を現す女性ゼルダで、彼女は売春をしている模様。
しかもそれはどうやらマーゴから依頼を受けているらしい。

また、常連客の男性ケイ・シノハラは、いつも同じ部屋を取っておきながら、そこで眠ることはない。
職業もわからなければ、いつ外出していつ戻ってきたのかも巧みに隠す。
そんなケイに興味を惹かれたエマニュエルは、彼のことを知りたいと思うのだが……。

香港の雰囲気を味わうことはできるけれど、それだけ。
もともと主演のノエミ・メルランのことがあまり好きではありません。
セザール賞の授賞式のさいに、ロマン・ポランスキーの最優秀監督賞受賞に憤慨し、暴言を吐きながら退席したというような記事を読んだから。
さまざまな意見があることは否定しませんが、それってどうよと思う。

ほかの出演者にもあまり魅力を感じません。
マーゴ役のナオミ・ワッツは、昔は脱ぐほうの役だったでしょうに、デコのシワが悲しい。←嬉しくもありますが(笑)。
ゼルダ役のチャチャ・ホアンは細すぎて。美人というわけでもなし。
こういう官能作品だからって肉感的なほうがいいとは限らないでしょうが、なんだかなぁ。
ケイ役のウィル・シャープは背が低いのか、ノエミ・メルランと並んで歩くとちんちくりんに見えてしまう。

へ~っと驚いたのは、ホテル館内の監視者役がアンソニー・ウォンだったことぐらい。
香港へ向かう飛行機の中で向かいの席の男を誘ってトイレの中でヤって、バーで知り合ったカップルと3Pヤって、
ゼルダとそういう仲になって、最後はケイの前で別の男とヤって、エンドロール。
ただのヤリマンじゃあないか。

何が言いたかったのかまったくわからず、これなら日活ロマンポルノのほうがずっと面白いぞ。

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『サラリーマン金太郎 【暁】編』

2025年01月25日 | 映画(さ行)
『サラリーマン金太郎 暁』
監督:下山天
出演:鈴木伸之,城田優,石田ニコル,文音,影山優佳,竹島由夏,米倉れいあ,山口大地,斎藤さらら,
   前田瑞貴,川合智己,佳久創,橋本じゅん,尾美としのり,浅野温子,榎木孝明他

109シネマズ箕面にて。

原作は1994年から2016年まで『週刊ヤングジャンプ』で連載された本宮ひろ志原作の同名人気漫画。
実写版を観たことはないのですが、“サラリーマン金太郎”といえば高橋克典じゃないんですか。
“ミナミの帝王”竹内力から千原ジュニアにいつのまにか替わっていたように、これも替わっていました。
どーでもいいけどと思いながら観に行ったら、結構面白かった。

青森県大間に暮らすでマグロ漁師シングルファーザー元ヤン・矢島金太郎(鈴木伸之)は、
久々に大物のマグロがかかったと喜んで釣り上げようしていた折、
潮に流されて遭難しかけていた老人・大和守之助(榎木孝明)を見つけ、マグロをほっぽりだして助ける。

東京の大手建設会社ヤマト建設の会長を務める大和は、金太郎に船とマグロの弁償を申し出るが、
金太郎はそれを断り、代わりに大和の会社で雇ってほしいと言う。
マグロしか知らない金太郎が初めて大都会に出て、大会社のサラリーマンに転身。

出社初日早々、専務の黒川優作(尾美としのり)に無礼を働き、社員たちは騒然、黒川の機嫌を損ねる。
そんなことは気にしない金太郎だったが、彼の教育係を言いつけられた女子社員・前田一美(影山優佳)は、
パソコン使えない、電話の応対むちゃくちゃな金太郎の扱いに困り果て、植物の水やりだけを指示する。

息子とともに身を寄せることになった家は居酒屋
そこに姿を見せる婆さん・中村加代(浅野温子)は、ほかの客に酒を集ることで有名で“乞食ババア”と呼ばれているが、
金太郎は加代と即座に親しくなり、東京で初めての「ダチ」となる。

2日目以降もひたすら水やりをする金太郎を見た同僚たち(前田瑞貴&川合智己)は、
新入社員の頃に毎日土まみれになっていたことを思いだし、金太郎を手伝うように。
金太郎を命の恩人と呼ぶ大和はもとより、良い印象を持たなかった黒川も金太郎を見る目が変わってゆく。

しかしそんな大和と黒川の失脚を狙っているのが元官僚の社長・大島源造(橋本じゅん)とその腰巾着・鷹司誠士(城田優)。
ふたりは大和が特別枠で入社させた金太郎の過去に注目し、輩を雇って金太郎を襲わせるのだが……。

マグロ漁師が建築会社に入社して仕事をこなせるとは思いません。
だけど水やりを言いつけられても腐らずにそれを懸命にやる。
水やりにも真剣な態度を見れば、まわりの人の印象も変わるかもしれないとは思います。

金太郎に喧嘩をふっかけてきた半グレ集団のリーダー・李秀麗(文音)も結局彼にゾッコンに。
困ったときの頼れる相手になるし、財界人が集うクラブの美鈴ママ(石田ニコル)も彼を放っておきません。
乞食ババアの正体はそんなもんだろうと思っていましたが、誰が相手であってもぶれず、素のままでいる金太郎は良いですよね。

わざわざ大画面で観るほどのものかという気はしないでもないけれど、スッキリと楽しい気分になれるからいいや。
来月の【魁】編の公開が待たれます。

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『ゴジラ対メカゴジラ』【4Kデジタルリマスター版】

2025年01月24日 | 映画(か行)
『ゴジラ対メカゴジラ』
監督:福田純
出演:大門正明,青山一也,田島令子,平田昭彦,松下ひろみ,小泉博,今福正雄,ベルベラ・リーン,
   岸田森,睦五郎,草野大悟,鳥居功靖,佐原健二,小川安三,渡辺高光,遠矢孝信他
 
1974(昭和49)年の春に“東宝チャンピオンまつり”で公開された作品の4Kデジタルリマスター版。
ひとりランチでワインを1本空け、TOHOシネマズ梅田には来たけれど、
『シンペイ 歌こそすべて』で爆睡、『FPU 若き勇者たち』は寝なかったもののなんだかなぁという感じで、
ハシゴ3本目の本作に臨む前はテンション下がり気味でした。
それでもチケットを先に買っちゃったんだから観ずに帰るわけには行くまい。
観てみたら、テンションが上がったわけじゃありませんが、いろいろと笑えました。
 
“ゴジラ”誕生20周年記念映画であり、翌1975年に開催予定の沖縄国際海洋博覧会に絡めて、
沖縄本島を舞台として製作しようということになったようです。
沖縄以外にも富士山や御殿場などが登場し、日本を大々的にアピールしている模様。
 
沖縄国際海洋博覧会会場の建築技師・清水敬介(大門正明)は、東京から遊びに来た弟・正彦(青山一也)を安豆味城跡へ案内。
そこで伝統歌謡を実演中だった安豆味王族の末裔・国頭那美(ベルベラ・リーン)は、怪獣が街を踏みつぶす啓示を受ける。
那美の祖父・国頭天願(今福将雄)は不吉な予感に駆られ、安豆味王族の行く末を案じる。
 
その後、玉泉洞を訪ねた正彦は、洞内で不思議な金属片を発見。
それを宇宙工学の権威・宮島博士(平田昭彦)のもとへ持ち込むと、地球上に存在し得ないスペースチタニウムであることがわかる。
一方、海洋博会場予定地にある洞穴では壁画が見つかり、首里大学の考古学者・金城冴子(田島令子)が臨場。
冴子は洞穴に安置されていたシーサーの置物を持って、敬介の叔父である考古学の権威・和倉博士(小泉博)のもとを訪れる。
描かれた壁画の意味を調べた結果、この世を滅ぼそうとする怪獣が現れるということ、また、別の怪獣2頭が人類を救うという予言に至るが、
シーサーの置物が何なのか不明だったところ、和倉邸に侵入した謎の男にこの置物を盗まれそうになり……。
 
富士山が噴火してゴジラ登場。
その場にやってきたアンギラスを痛めつけるゴジラを見て、アンギラスはゴジラの盟友なのにと不思議がる敬介たち。
やがてこのゴジラがゴジラではなく、宇宙人が製造したスペースチタニウム製のメカゴジラだと判明します。
 
メカゴジラを操るのが人間の姿をした宇宙人で、息が絶えると猿になります。
こんな見た目が人間そのまんまの宇宙人描写なのに死んだら猿ってワラける。
また、本物のほうのゴジラの動きがいちいちカワイイ。「惜しい!」みたいな仕草にはふきました。
 
メカゴジラと対決して人類を救うのは、ゴジラとキングシーサー。
眠ったままのキングシーサーを起こすのは那美の歌。「私のシーサー♪」って、笑ってしまった。
しかも2番まであるんですよね、この歌。1番だけでええやろ!
敬介たちの後をつける怪しげな男がインターポールの捜査官だったのにも笑ったなぁ。
2人もいるのは都合がよすぎる(笑)。
 
なんだかんだで楽しく観ました。
すでにお亡くなりになっている方や芸能活動はしていらっしゃらない方も多いけど、
現役バリバリの人も多くいて、こりゃその人たちの近年の出演作をチェックしなくちゃと思いました。

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『FPU 若き勇者たち』

2025年01月23日 | 映画(あ行)
『FPU 若き勇者たち』(原題:維和防暴隊)
監督:リー・タッチウ
出演:ホアン・ジンユー,ワン・イーボー,チョン・チューシー,オウ・ハオ,チュウ・ヤーウェン他
 
前述の『シンペイ 歌こそすべて』の鑑賞後、1時間空けてから同じくTOHOシネマズ梅田にて。
 
“インファナル・アフェア”シリーズのアンドリュー・ラウ監督が製作総指揮を務め、
武術監督出身のリー・タッチウがメガホンを取ったという中国作品。
 
アフリカのサンタリオン共和国(架空の国)で内戦が起き、各国の警察部隊が介入することに。
中国の国連平和維持警察隊“FPU(=Formed Police Unit)”も派遣される。
 
分隊長のユー・ウェイトン(ホアン・ジンユー)のもと集められたのは、小隊長を務めるジョウ・ジアシュエン(チュウ・ヤーウェン)、
狙撃手ヤン・ジェン(ワン・イーボー)、通訳と連絡を担当するディン・フイ(チョン・チューシー)などの精鋭メンバー。
 
当地ではある一族が反政府武装集団の虐殺に遭い、長老一家がかろうじて逃げおおせて匿われている。
虐殺についての証言を阻みたい武装集団は、長老一家を見つけ出して皆殺しを狙う。
FPUは長老一家を救出して安全な場所へ連れて行こうと策を練り……。
 
正直なところ、観はじめたときは、なんだこのプロパガンダ映画は!と思いました。
中国すばらしい、中国の警察いいことしてる、そんなイメージを押しつけられている気がしてちょっと不愉快に。
また、ヤン・ジェンの父親がかつてのユー・ウェイトンの相棒で、一緒に戦っているときに死んだとこなんか、
まるで『トップガン マーヴェリック』のルースターとマーヴェリックの関係じゃあないかと可笑しくなり。
 
苦笑いしながらも最後まで飽きずに観られたのは、ひとえにヤン・ジェン役のワン・イーボーがカワイイから。
昨年『熱烈』を観て彼のことを知りました。
ほかの面々も彼ほどではないにしろイケメンがまぁまぁいるし、紅一点ディン・フイ役のチョン・チューシーもめちゃ美人。
 
内容に違和感をおぼえつつも、出演者の顔がよければそれでいいって、ルッキズムが取り沙汰される昨今に反している。
でも、大画面ではカッコいい人、キレイな人を見たほうが嬉しいに決まってるやん。

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