マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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お歯黒さん来訪

2008年09月08日 08時13分50秒 | 自然観察会(番外編)
北京オリンピックがはじまった。

民族衣装で彩られた各国の入場行進がテレビに映し出される。

その前日、突然訪れたハグロトンボ。

館内を逃げ出そうと羽根をバタバタしているトンボは全身真っ黒ないでたち。

子どものときに歯を黒く染めた「お歯黒」によう似ているんじゃと教わった名前はオハグロトンボと呼んでいた。

正式和名はハグロトンボといいお盆近くなるころに現れるようで、西日本ではショウリョウトンボと呼ばれるトンボ。

ご先祖さんがトンボに乗ってお盆にかえってくるとされる盆の精霊さんの伝承は各地にわたっているそうです。

少年期に遊んだ記憶となじみ深いオハグロの名前はいつまで経っても残っているものです。

(H20. 8. 7 SB912SH撮影)

ネット記事に興味深い民俗について次のことが書かれていた。

わが国では特定のトンボを神聖視することがある。

オハグロトンボはカミサマトンボと云って捕らえるみとを忌み、田の神として尊ぶ。

これを西日本ではショウリョウエンバ(ショウリョウトンボ)と云う。

トンボを盆の精霊と関わりがあるとする伝承は広く、京都府北部では、7月1日をトンボツイタチと云い、この日に地獄の釜の蓋が開いてアカトンボがこの世に生まれると云う。

これを九州南部では、ショロバブ(ショウリョウトンボ)と云って追うことを忌む。

民俗学者の桂井和雄著『仏トンボ去来』(高知新聞社)によると、オハグロトンボを「カミサマトンボ」と呼んでいる事例が県内各地にあると報告しているし、盆の季節に家の中に飛び込んでくるトンボなどは精霊(しょうりょう)さまだから捕らえてはならないとか、高知市一宮や大津などではオハグロトンボは仏さまの使いだと呼んでいると紹介している。