マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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かつてのお垢離取り

2008年11月11日 08時15分03秒 | 山添村へ
明日はお彼岸が明ける日の九月二十五日。

山添村北野の天神社の参道には美しく彼岸花が咲いている。

かつては村人が大勢訪れてお垢離取り(おこうりとり)が行われていた参道だ。

鳥居向こうの集落を抜けた山にあがる手前に細い小川が流れていた。

15年前に耕地整理で川がつけ替えられた。

今は道になったが、ここに石橋がかかっていて堰堤もあったんじゃといい、数メートル離れたところには僅かに残った小川の痕跡が認められる。

家内安全や無病息災を求めるお垢離取りの参拝者は、33枚の葉がついたツバキの枝を手に持って、神社と小川をお百度参りのように三十三回ぐるぐると回っていたという。

清らかな小川の水に葉を浸してしずくをつける。

それを神社の舞い床に供えるというもので別名は会式。

けっこうな距離なので時間がないときは走っていたという。

33枚すべてがなくなると満願する。

家族できたときは分け合ってしたというお垢離取りの夜は盆踊り。

神社右上のお堂との間の境内に櫓を設えて踊ったそうだ。

近隣の村々から大勢やってきて踊り明かした夜。

最後の踊りは「イセキ」の踊りを踊ったというが充てる文字は50年前にもなることなので思い出せない。

まさかの「堰(井関)」ではなくて、エシキ(会式)が訛ってイシェキからイセキと呼んだのであろうと思われる踊りは伊勢へ向かう街道筋でもあることから「伊勢おかげ踊り」だったのではないでしょうか。

(H20. 9.25 Kiss Digtal N撮影)