マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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秋の彼岸講トヤ渡し

2008年11月05日 09時09分02秒 | 天理市へ
八王子さんの参拝を終えた講衆は、トヤの家でトヤの引渡し儀式を行う。

大皿に広げた四枚重ねの五枚笹。

その上には「シトギ」と呼ばれる米粉をといで練ったものが載せられている。

トヤはお酒とシトギの皿を一人ひとりに差し出して儀式が行われる。

酒を注いでぐいと飲む講衆。

トヤはそのあとにシトギを箸で少し摘んで講衆の手の甲に載せていく。

講衆はそのまま口にもって食べる。

すべてが終わると次のトヤは屋形を抱えて座から離れる。

自宅に戻って一年間に亘り神さんの館を祀るという儀式はとても厳かなものだ。

2月にはトヤの道具一式などを引き継ぐ儀式があるといい、今日と半年後の二段構えとなる渡しだ。

30年ほど前は儀式のあとで大人や女性、こどもらが大勢訪れて、ヨバれ笹の皮に包んで帰ったという接待をしていたという。

八王子さんの五枚笹替えなど彼岸講の祭祀は原初的な形式が残されている。

(H20. 9.20 Kiss Digtal N撮影)