奈良盆地部全域にわたって放射霧に覆われた朝を迎えた。
前日の降雨が放射冷却によってもたらされた現象も天理の山を越えた大和高原では青空が広がった。
例年なら寒風が通りすぎる申の日は穏やかな日となった今日は山添村春日の春日神社で行われる申祭りの日。
村の役員や十四ヶ大字の代表者があつまって祝詞奏上、玉串奉奠など大祭神事が行われた。
祭典を終えるとすぐさま供えられた神饌や御幣などは直会座敷に運ばれて撤饌。
神膳と呼ばれる五十個ずつ盛られた鮮やかな色合いの鶴の子柿、柑子蜜柑に白餅。80本の御幣木飾りやハツ(マグロ)、大きなタイも運ばれて料理人の包丁さばきで分けられる。
昭和51年の本殿屋根修理以来33年ぶりに造営を迎えた同神社。
建替委員長、区長から建て替えの報告がなされている最中、地元菅生の春日春楽社の方々による能楽演舞が始まった。
白装束の翁舞、弓矢祝言榊ノ舞、子ども狂言の「いろは」に「あかがり」、そして伯母ゲ酒、仕舞が演じられた。
直会の場ではリンゴ、カマボコ、チクワ、コンニャク、サトイモの五種を串に挿した串肴が紙皿に配られ、宮座当家の二人が座衆へ酒宴の酒を入れて回る。
ハツやタイを肴に饗膳の場はお酒が入って境内とうってかわった賑やかさ。
写真撮影に来ていたカメラマン団体や見物客にも串肴が配られる。
串をほおばりながらの撮影は左手に串、右手にシャッターを構えてレンズは能舞台に視線が集まる。
造営費用も結構な額になったし経費削減の話題がのぼっている祭典。
大きな串肴がいずれはミニになるかも知れんなあと長老は仰った。
(H20.12.10 Kiss Digtal N撮影)