マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北野・津越の祭礼

2009年10月08日 05時43分35秒 | 山添村へ
北野天神社の参篭所で行われている振り上げは本来14日だった。

それが昨年は敬老の日と重なり13日の土曜だった。

今年こそは14日に行われるのだろうと再訪した。

神社ではそれらしき様子もない。

昨年に聞いた方に尋ねた。

なにやら都合が悪るうなって二日前の土曜に行われたのだという。

近年は平日に集まりにくくなってきたのでおそらく来年も土曜になるだろう。

天神社の振り上げは奥地区のトーヤを決める儀式。

かつては竹筒に名前を書いた籤を丸めて入れた。

蓋は紙で小さな穴を開けていた。

その竹を振れば中から籤が飛び出してくる。

それは随分前に改定されてサカキで籤を引き上げる神籤の形式に変わったそうだ。

この件はまたまた来年の楽しみに残していくわけだが、北野を訪れたのはもうひとつの祭礼を調べるためだった。

それは美統神社に合祀されている津越(つごえ)の神社のことだ。

秋祭りの宵宮に際して行われるホーデンガク渡り衆は合祀される前の五地区の元宮さんに巡拝している。

そのうちのひとつに挙げられるのが津越の八幡神社だ。

それなら下の方に聞けば判ると教えられて布目ダムの方に下っていった。

歩道を歩いている男性に声をかけた。

話をするなりそれは二日前に終わったという。

本来は14日、15日であったがそれに近い土曜、日曜に変わった。

神社は祠のようなもので祀っているのは集会所だという。

そこでトヤや年預が朝から集まって御供を作る。

大きな椀へ山のように盛り上げた御供はキョウメシという。

それを数十個も作る。

高脚膳、吉野膳と呼ばれているキョウメシは見事な形。

それにヒジキを混ぜ込んだクルビも作る。

甘くて美味しい味だという。

おそらく月ヶ瀬八王神社の和布祭り(めまつり)で祭礼されるものと同じ形態であろう。

神社は祠に変わったが宵宮の「八幡さんの京の飯」は今でも続けていると来年のトヤさんは仰った。

(H21. 9.14 SB912SH撮影)