マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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石川八坂神社古基座大御膳

2009年10月29日 07時26分54秒 | 大和郡山市へ
かつて春日大社の神領だった石川町は若宮おん祭の行列に参列していることから、大社の神職を迎えて祭祀が行われていたが、やむなき事情で3年前から柳澤神社に替わっている。

石川町の八坂神社では古基座と本座が別々に大御膳(おおごぜん)と呼ばれる秋の祭典を行っている。

早朝に集まってきた古基座の四人は拝殿で大御膳を作り始めた。

お櫃には炊いたばかりのご飯が入っている。

それを寸胴に近い逆円錐型の筒に詰め込んでいく。

手は使わずしゃもじで入れていく。

下にはバランを敷いている。

詰めあがると逆さにして、上から蓋を押し込み筒からご飯を押し出す。

見事な形のご飯は河原で採ってきたコモを巻いていく。

何重にも巻いていく。

結びはなく、巻いた次のコモで押さえていく。

最後はバランを下にして締める。

神聖な大御膳作りには口にマスクをする古基座の四人。

コモを巻くのは三つ。それより少し小さめの御膳にコモ巻きはみられない。

これが四つ。



大御膳は三社に、小さめの御膳はアタゴサン、オイナリサンや西、東のハツホサンに供えられる。

オニギリのような丸い御膳は観音堂に供えられる。

それぞれの御膳には海の幸、里の幸などが揃えられる。

横から串を刺したコーヤドーフにダイコン、ゴボウ。

角切りにしたコンニャク、サトイモ、カキ、カマス一匹に一膳の箸がセットされて御膳ができあがった。

頭屋は毎年替わるものの営む四人はいつもおなじみ。

要領も慣れたもので手際よく作られた。

(H21.10.11 Kiss Digtal N撮影)