マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

山陵町山上八幡神社の砂モチと簾型注連縄

2015年10月02日 07時29分30秒 | 奈良市へ
3人揃って次の調査地の山陵町(みささぎちょう)・山上八幡神社に向かう。

当地は平成19年10月7日に訪れたことがある。

秋祭りの祭典中であったこともあり氏子の話しを伺えず、布団太鼓台の様子だけを拝見して立ち去った。

鳥居から眺める境内は広々と感じる。

拝殿にネンバンさんがおられるので聞いてみたらと通りがかりの人に教えてもらって訪問した。

拝殿におられた人はネンバンさん。



前年度に勤めたネンバンさんから行事の引継ぎを兼ねて大晦日の御膳を調整していた。

ネンバンさんは一年交替する村神主だった。

神社行事は六人衆が務める。

6年間かけて務める六人衆。

予備になる次の下層年齢者の六人衆が入ってこなければネンバン役は再び廻りになる。

入ってくれば六人衆を卒業されてインキョ座になるという。

26日に公民館で作ったという注連縄は簾型だ。

藁はヒノヒカリ。

栽培していたのは前年のネンバンさん。

今でも村唯一の農業従事者だ。

鎌で刈ったヒノヒカリは陰干ししていた。

ワラウチはしないが、シビは手でしごいて綺麗にする。



ウラジロ、吊るしガキにダイダイ。

水引で括ったカタスミも飾るなど注連縄掛けや門松立ては30日に行われた。



その際に行われる砂モチは川砂・山土を交互に置く。

まるで千鳥格子のように見える砂モチである。



当地でご一緒したFB利用者のMさんは写真家のNさんが紹介していたFBを拝見して当地に来られたという。

4人揃って民俗の話題が盛りあがる。

ちなみに大晦日の山上八幡神社は17時より「台燈明」が行われる。

拝見はしなかったが話しの様相から千燈明のように思えた。



なお、山上八幡神社拝殿には数枚の大型絵馬が奉納されている。



奉納された年代記銘は見られないが、いずれも合戦図である。



下部に寄進された氏子姓の名前がずらりと並ぶ絵馬もある。

同社にはこれら3枚だけではなく天井にはもっと多くの絵馬が残されているが、壁3枚は最も古いもののようだ。

(H26.12.31 EOS40D撮影)