マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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中畑町日浦垣内のとんど

2015年10月29日 08時51分11秒 | 奈良市(旧五ケ谷村)へ
日浦垣内に向かった知人から電話があった。

とんどの火点けが終わってモチを焼いているという。

中垣内からはそれほど遠くない。

歩いても10分程度だ。

先を割った竹に挟んでモチを焼いていた。

以前は先にモチを挿して焼いたこともある。

焦げてポロリと落ちることもある。



いろいろ工夫して今では「ハサンバリ」にしてモチを挟む。

直接、火にあてるのではなく、下火になった処で焼く。

表を焼いて裏面も焼く。

「あんたもすれば」と云われてハサンバリを受け取ってモチを焼く。

ふっくら焼けたモチは甘い。

何もつけていないが甘いモチ。

うちで採れたモチゴメは山から流れる水が奇麗から美味しいんやと云う。

9時ころになってようやく朝日が差し込みだした日浦垣内。



そういう地である垣内名に納得する。

しばらくしてとんどを終えた村人たちは初集会の会合に参集される。

とんどは山を下った近隣村の北椿尾町にもあるが、こちらは2月11日の祝日だ。

一方、高樋町や興隆寺町では1月の成人の日だという。

地区によってまちまちなのだ。

日浦垣内のとんど取材を終えて向垣内辺りに戻る。

そこに居られた老婦人が小正月の話しをしてくださる。

とんどの日にはアズキ粥を炊いて家に供えていたらしい。

出里の柳生忍辱山ではクリの木にモチを付けて焼いていたとも。

ちなみに寒の入りの小寒の日は自宅に祀っているオイナリサンにアブラゲ御供をしているともいう。

そんな話しもあるが、勧請縄掛けのときに村神主にお願いしていたゴーサンが神社社務所に置いてあるという。

ありがたい伝言である。

村の鎮守社の春日神社に立ち寄った。

社務所の外に頼んでいたゴーサン一式がある。

余ったらしく5セットもあった。



版木で刷ったと思われる「春日神社 八阪神社」のごーさん札。

牛玉の朱印を押しているが、左右にある文字は判読不能だ。

ウルシの木の先をT字型に割って挟む。

稲穂付きの松苗とともに苗代水口に立てると老婦人が云っていた。

(H27. 1.18 EOS40D撮影)