マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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庵治の貝ボタン抜き取り跡

2017年02月03日 09時21分00秒 | 民俗あれこれ
さて、これはなんである、だ。

天理市の庵治町を南北に通る街道を歩いていた。

道は当然ながらの舗装道路。

車の往来はそこそこある街道であるが、かつては古代の官道の大道。

下ツ道である。

そんな面影はまったく見られないが、ふと路肩を外れた処にキラキラ光るものがあった。

地面に埋もれているキラキラ感は何であるか、である。

破壊されたモノには違いないが・・・僅かに人工的に開けたと思われる丸い抜きがある。

その形状を見て思い出したのが貝ボタンである。

ここではないが、貝ボタンが民家近くにたくさんあったことを覚えている。

同じように地面に埋もれている形だった。

付近に住む人に聞いてみた結果は貝ボタンの欠片である。

商品価値にもならない欠品は地面に捨てる。

そう、お話していたように思える。

海のない奈良県に落ちていた貝は加工品。

天理市の隣町の川西町は代表的地場産業に貝ボタン製造がある。

川西町は全国トップシェアを誇る貝ボタンの町。

明治39年、2軒の製造業者が始めた貝ボタンン作り。

大正初期の時代より大きく成長したそうだ。

家内工業的発展を遂げた貝ボタン産業は手広くなり周辺市町村にも・・。

私が平成17年5月5日に出合った貝ボタンの破片が落ちていたのは田原本町の矢部だ。

ここも川西町に近い。

捨て場だと想定される地面に埋もれていた貝をどことなく見ていた。

破片の一部に三角型がある。

たぶんに巻貝。

種類は何だろうか。

貝ボタンの素材はいろいろあるが巻貝系は高瀬貝や広瀬貝にグリーンシェルがあるそうだ。

短文に編集しなおしたこの記事をFBに掲載したら、知人のSさんが書かれた誌面を伝えてくださった。

併せて彼女が担当した記事は「さんち~工芸と探訪~」シリーズの「海のない奈良でつくる、日本一の貝ボタン」だった。

取材先の会社は川西町唐院の株式会社トモイである。

Sさんの素敵な文章に添えた写真も素敵だ。

文章もそうだが、真似したくなるとらえた方に撮り方も学ぶ点が多々ある。

(H28. 7.16 SB932SH撮影)