マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢部のカンピョウ干し

2017年02月15日 08時59分24秒 | 民俗あれこれ(干す編)
6月26日に訪れたときはあんばい撮れなかったカンピョウ干し。

壊れた一眼レフカメラも中古品に品替え。

それから晴れ間になかなか遭遇しなかった。

晴れ間になったとしてもカンピョウ干しをするかどうかはわからない。

なぜか急に思い立って矢部に向かって走った。

着いた時間は朝の7時半。

丁度、揚げたばかりの時間だった。



こうして竿を持ち上げていたと見せてくれる当主。

気になっていたのは竿の藁束だ。

滑らないようにと云っていた藁束の効能はもう一つある。

聞いたにも関わらず失念していた。

それを確かめたくなって再訪した。

当主はもう一度話してくれた。



この藁束は干したカンピョウがくっつかないようにする。

竿が竿のままであればへばりついたカンピョウガ剥がれない。

ぺちゃっとくっついて切れてしまう。

乾くとそうなるのである。

藁束を巻いておけば取りやすくなるという優れもの。

巻き寿司を作って里帰りするお嫁さんのお土産にすると話す当主は他家も覗いたらどうだと教えてくださる。

もう一軒は飛鳥川の近く。

堤防の向こうの南側。

U家は今でも滑車でカンピョウを揚げていると話していた。

場所だけでも、と思って探してみる。

白い簾は見つからない。

それが目印。

あればすぐにわかるが・・。

見つかったのは木製の支柱である。



これまで拝見したカンピョウ干しの支柱は3本立て。

ここは珍しく2本立て。

風に煽られて回転はしないタイプである。

上の方には2本とも滑車があった。

そうであればと思って納屋を拝見したら藁束で包んだ竿があった。

崩れないように細い紐で縛っている。

間違いなくここであるが田主は不在。

家がどこにあるのか近隣の人に尋ねて集落に向かう。

表札をみて呼び鈴を押す。

マイク越しに事情を伝えて撮らせてもらったことを事後承諾。

今年は実成りが悪くて準備はしたものの干すに至らないと話す。

たぶんにいつかは干すであろうと思って時期を待つことにした。

その家からすぐ近く。

玄関に掲げてあったお守りは伊勢志摩地方で見られるお守り。



その証拠に「蘇民将来子孫家」の文字がある。

「門」の紋に右が七難即滅で左に七福即生がある「門符」は真新しい綺麗な太めの注連縄に飾っていた。

(H28. 7.20 EOS40D撮影)