マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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箸中南垣内の地蔵さん

2017年02月27日 08時35分27秒 | 桜井市へ
この日の朝に通りがかった桜井市箸中。

いつも拝見する中垣内の地蔵さんに変わりはない。

大神宮の石塔も同じ姿だ。

そこよりさらに南の方角に赤い色があることに気がついた。



近寄ってみれば地蔵尊の祠の前に二本の忌竹を立てていることがわかった。

水平に括り付けた竹がある。

吊った提灯は6個。



白抜き文字で「南垣内」とある赤い提灯は地蔵さんの祭りがあることを示していた。

時間は朝の8時半だった。

周りにはどなたもおられない。

しばらくありとあらゆる方向から地蔵さんを撮っていた。

細い川の向こう側だ。

踏切を渡った婦人が堤防つたいに歩いてきた。

老婦人が云うには地蔵さんの祭りは夕方の陽が暮れるころ。

垣内の当番の人たちが参拝をする。

提灯架けは当番の役目。

どうなっているのかと気になって見に来たそうだ。



ここは中垣内の南垣内の地蔵さん。

中垣内は明日の24日にされるが、南垣内は今夕。

それまではずっとこのままにあるらしい。

そうであれば夕刻に再び訪れる。

そう判断してここを離れた。

戻ってきた時間帯は午後7時半。



夕闇のなかにぽっかりと浮かんだように映る提灯の灯りがある。

周りは水田。

育った稲の葉色が辺りを埋め尽くしている。

中垣内もそうだが南垣内の地蔵さんの廻りは緑一色に染まっている。

すべてが水田かと思えばそうでもない。

一部の地は稲作もしていない。

陽が落ちたら闇。

緑色も濃くなりやがては暗闇。

怪しげな感じに見えた灯りは夕闇に浮かぶ。



地蔵さんの前に座っていた人たちは南垣内の当番組。

まどろむ時間帯にときを過ごしていた。

当番の人たちの声をかけたら朝に出合ったおばあさんがこうして再び来ると伝えていたそうだ。

お話を伺っている数分間。

あっという間に闇が迫ってくる。

当番組は3年に一度の廻り。

夕方に集まって参拝。

線香をあげたと云う。



以前は弁当を作ってこの場で食べていたが、今はこうしてただ喋っているだけになったという。

赤い提灯は4年前に新調した。

おばあちゃんは新しく涎掛けをしてくれたなどと話していたころにやってきた垣内の子どもたち。

地蔵さんより少し離れた場で花火大会。



大会といっても二人の女の子。

きゃっきゃ云いながら夏の花火を楽しんでいた姿を見て、思わず花火女子会や、と呟いた。

やがて辺りは真っ暗。

そろそろ締める時間帯が迫った。

翌朝の24日は朝7時。

涼しい時間帯にお参りをすると伝えて当番組の人たちは解散した。

(H28. 7.23 EOS40D撮影)