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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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松尾寺除夜一休さん修行

2009年02月27日 08時22分48秒 | 大和郡山市へ
気温が0度となった松尾山。

山田の里から自転車をこいで松尾寺に向かう集団は高校生ら。

急坂を登り切るとそこが松尾寺だ。

拡張された駐車場には次々と車がやってくる。

既に到着している参拝者は護摩壇のとんどで暖をとっている。

今夜は同寺で営まれる除夜の法要。

八月に参加した心身修練教室の一休さんらが除夜の鐘を撞いて般若心経を唱える修業の夜だ。

夏期心身修練教室は今年で100回目。

昭和27年に始まった一休さんの修業は伝統行事のひとつに数えられるだろう。

夏期の修業に参加したなかから希望者を募って行われる除夜の鐘撞きは11時から始まる。

それまでは前座の修業をしている。

住職や僧侶らは行者堂に籠もって法要を営む。

法螺貝の合図で本堂に向かった一休さんの一行。

後方には家族や一般参加者の長い列が続く。

小坊主頭はみられないが灯りに照らされた装束がそれらしく見える。

本堂の前に整然と並んで礼拝する。

大きく円を描くように手を広げる真言の礼拝だ。

それを終えると厄除け鐘楼に並ぶ。

初撞きは僧侶。

手を合わせた一休さんは番人の合図で鐘を撞く。

煩悩の歳まで幾つ数えるのだろうか、天真爛漫な瞳が輝く一瞬だ。

除夜の鐘を撞いたおよそ30人の一休さんは本堂の回廊に座って般若心経を唱える。

真剣な表情はまさしく修業の身。

百八つ修業の鐘が撞き終わるまで唱えていく。

その後も撞かれる除夜の鐘。

長い列はまだまだ続き鐘の音は遠くまで響いている。

一休さんの参加資格は小学3年生から6年生まで。

今夜の鐘撞き修業で卒業する自然が大好きな学徒くんは一所懸命に般若心経を唱えていた。

(H20.12.31 Kiss Digtal N撮影)

伊豆七条町フクマールコッコッコ

2009年02月26日 07時46分05秒 | 大和郡山市へ
大晦日の夕刻、大和郡山市伊豆七条町で今でも行われている行事。

長い青竹を手にした子供たちは子守神社に集まってくる。

地区の各家を一軒一軒ずつ巡って門口で竹先を地面につけて「フクマール、コッコッコー」と囃したてるのです。

各家では用意した藁に火を点けると揃って「フクマール、コッコッコー フクマール、コッコッコー」の合唱団。

火が消えかかるころにようやく終える所作。

すると家人はお駄賃やお菓子を子どもにあげます。

「良いお年を」と言って次の家に向かう子どもたち。

新年を迎える歳神さんは穀霊と考えられる場合が多いですが、民間信仰では祖霊や自然の精霊であるとか地域によってさまざまです。

山添村や宇陀市室生などでは今でも続けられていますが、盆地部で行われるのはたいへん珍しく、子どもたちだけで行われているものは記録すべき貴重な民俗行事。

近い将来には男児がひとりになって継続することが難しいとされてきた。

女児も参加させてなんとか繋いでいきたいと今年から参加条件を緩和された。

温かい火に映しだされた女児二人は満足げな顔で2時間半の福丸迎えに喜んでトヤの家に消えていった。

(H20.12.31 Kiss Digtal N撮影)

野垣内春日若宮社砂の道

2009年02月25日 08時21分13秒 | 大和郡山市へ
かって歳神さんを迎える砂の道は氏神さんを祀った神社から各家の玄関口まで敷かれていた。

大和郡山市内旧村では急激になくなってしまった砂の道。

いくつかの地区では今でも行われている。

大晦日の日、野垣内町春日若宮社の一年神主さんは家族とともに神社を綺麗に清掃している。

本殿の屋根が危うい状態になったことから一ヶ月前から始まった修復作業はなんとか新年を迎える日に間に合った。

併せて修復した拝殿の門も綺麗になった。

そこには珍しい伊勢エビ注連縄が堂々と飾られている。

午後には本殿、末社に七品御膳を供えて砂の道作り。

地区の道路はアスファルト。

自転車が滑るやないかと意見する人もあったそうだが、神さんの通る道じゃ、避けて通るのがあたりまえと一蹴された神主さん。

南は誓徳寺付近まで、北は水路付近まで敷いている。

かっては各家まで敷かれていたのでしょう。

貴重なものとなった砂の道も現実問題に対応しなくてはならない苦渋の選択だといえるのでしょう。

(H20.12.31 Kiss Digtal N撮影)