マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下山と今市のお仮屋

2009年10月21日 07時59分55秒 | 奈良市へ
昨夜から吹き荒れた台風18号の中心部は早朝に三重県に上陸した。

祭りごとや稲が心配されたがさほど影響を受けなかったが、下山で当家祭に先立って行われる禊は川が増水したことから、台風が過ぎ去った昼から行われた。

森本川で手を洗って清めてから河原の石を拾う。

石はこぶし大で三個。

これは杉の葉を敷いた桶に置く。

これは「カミサン」と呼んでいるものでお仮屋に納めるという。

数日前に設えたお旅所(お仮屋とも呼ばれる)が台風で飛ばされんようにと家の中で守っていた今市の当家さん。

新藁を被せた舘の中に分霊神遷しされた唐櫃が置かれ、洗米、御神酒に海の幸や山、里の幸を供える。

体育の日の前日に三つの自治会と合流して春日神社にお渡りをする。

トーニンゴは白装束を身につけるそうだ。

(H21.10. 8 SB912SH撮影)

山添春日若宮祭のトヨリ

2009年10月20日 08時00分39秒 | 山添村へ
釣瓶が落ちるように陽が沈み冷気が感じられる山添村春日地区。

真っ暗な道を正装姿の家長がやってきた。

「おめでとうございます」と当屋に挨拶を述べて座敷にあがる。

着物姿の長老は上座、他の方はネクタイを締めスーツ姿で周りを囲むように座った。

今夜は春日若宮神社の祭り当番の役目を決める「トヨリ」の日。

「トヨリ」は当寄りの漢字を充てている。

祭りは「若宮祭典」を正式名称としているが家長の祭りであることからオトナ祭りとも呼ばれている。

当屋にあたればエゾまで逃げ出すくらい散財するからエゾ祭りともいう。

当屋は今夜のために襖や障子、畳を入れ替えた。

家長が集まる座敷は綺麗にしておいた。

美しくするのじゃと笑った当屋さん。

当屋家の手伝いに来ている人は当屋にあたるまで引っ越しをしたいぐらいだとこぼされる。

それぐらいたいへんな祭りがさ来週に行われる。

若宮さんの祭り当番を決めるトヨリは長老の挨拶で始まった。

「みなさん方、参進してくださってありがとう 地区一番の長老ということで進行役を務めます」と発声した。

「正式に当屋をお願いするにあたり祭り当番を決めたい。その前に、決まった役目を記す書記役をこの人にお願いしたい。」と言えば指名された方は一旦は断ったものの承知して、中央に据えられた記録席に着く。

昨年度の祭り記帳を参考にしながら年齢順に読み上げる。

参席者の同意を得たら半紙を折りたたんだ記録紙に墨書する。



記帳する間、参席者はお菓子とお茶で世間話にふける。

手伝いはせわしなくお茶注ぎに回る。

家長の名前を書き上げると今度は年々(ネンネン)さんと当屋を手伝いする若衆四人の周旋方(しゅうせんかた)を指名する。

「この人は次の幕揚げなので外さなあかんから他の人や、相談しとくなはれ」と横やりが入って指名された人は入れ替わった。

「この人なら問題はないと」承諾されて再び記帳する。

この間、一瞬の緊張が走った。



このあとは先日の役員会で決められた神饌の内容や量を書記役が申し上げる。

品目に変化はないが、負担を軽減するよう量を減らされていた。

「それでよろしいか」の問いにうなずく家長衆の承諾を受けて、買い付け、膳の部、当屋外などが決定する。

およそ2時間もかかったトヨリも書記役は大役を終えて席に戻った。

長老は祭り当日の時間などを再確認して、儀式とも思えるトヨリを終えた。

(H21.10. 4 Kiss Digtal N撮影)

番条熊野神社三献の儀

2009年10月19日 07時33分05秒 | 大和郡山市へ
神事のあとは拝殿で行われる膳の場となる。

宮司、当人子、一老、二老の順に座した座衆の前にカワラケ杯と酒を持った隣組の手伝いが着く。

カワラケに酒を注ぐ一献の儀はカセットテープが謡う四海波が終わるまで持ったままだ。


曲が終わると一気に飲み干す。

これを順に五老まで続く一献の儀を終えてから膳に箸をつける。

その後は足らなくなった酒を給仕する手伝いが座衆の前を動き回る。

一時間ほどの膳は最初に行われた一献の儀と同じ所作がされるが曲目は千秋楽になる。

そのあとも酒宴は続く。

ぼちぼちたばろかの一言でようやく宴を終えた三献の儀。

かつて途中に二献の儀があった。

煮びたしなどの肴がでて酒を飲む。

三重の重箱で盛っていた肴はカマボコ、コンニャク、ゴボウ、シイタケ、マツタケだった。

箸で摘んで食べて飲んでいた。

座興が盛り上がれば羽衣などの目出度い謡がでたのだと北座の一老さんは仰る。

こうして儀式の形式だけは継承されている。

(H21.10. 4 Kiss Digtal N撮影)

番条熊野神社十月朔座

2009年10月18日 08時06分51秒 | 大和郡山市へ
神社に到着すれば大御幣を本殿に奉ってから宮司一拝、祓えの儀、祝詞奏上などの神事が始まった。

ここで一旦は御供箱に入れられた餅、栗、結び昆布、枝豆、蜜柑などの神饌を取り出し本社、末社などに供える。

餅は広げた菰に規定の数量を置いていく。

拝殿には膳の準備が行われる。

神饌と同じものを膳に載せていく。

発注したパックの膳に餅は五個、栗や蜜柑は二個、昆布と枝豆は少々で皿に盛っていく。

ここで再び神事が始まった。

氏子のすべての人々に栄えあれと十月朔座の祝詞を奏上する。

宮司は末社の厳島神社、浅間神社にも出向いて拝礼する。


玉串奉奠のあとは両当人子と両座の一老が本殿の前で一拝し、大御幣を左右に三度振る幣振りの神事を行って洗い米を撒く。

厳島神社へも同じ所作を行って朔座の奉りを終えた。

(H21.10. 4 Kiss Digtal N撮影)

番条熊野神社朔座当屋のお渡り

2009年10月17日 07時20分20秒 | 大和郡山市へ
番条町の熊野神社では秋祭りに先だって十月朔座と呼ぶ当屋の祭礼がある。

北座(7軒)と南座(17軒)があり、それぞれの座の当屋は座の長老とともに古式ゆかしく神社へお渡りをする。

当屋主家を北座は北ドーヤ、南座は南ドーヤと呼んでいる。

その当屋はアニ、オトウトと呼ばれ北座と南座が毎年交替する。

朔座はその名のごとく本来は一日であったが、座衆が集まりやすい一日に近い日曜日に行われている。

座に祀られたお仮屋の儀式を終えると一行は大御幣を持つ五老と当人子を先頭に出幸した。



番条町は町内周囲を環濠に囲まれた集落だ。

古い町家の景観をとどめる集落を渡る一行をひと目見ようと玄関に顔をだす人もいる。

(H21.10. 4 Kiss Digtal N撮影)

池ノ内八幡神社宵宮

2009年10月16日 07時48分57秒 | 大和郡山市へ
境内には天頂に御幣を挿し、上から二つ、中は四つ、下が六つの提灯をぶら下げる神楽提灯が立てられている。

池ノ内町の地区を練り歩いてきた子供御輿が八幡神社に戻ってきた。

そのころ拝殿には宮司、巫女とともに自治会役員や祭り関係者が座っている。

拝殿には明かりを点された提灯が所狭しと並んでいる。

今夜は秋祭りの宵宮。



祓えの儀、祝詞奏上、玉串奉奠など神事のあとは巫女が祭祀する湯立て神事に移る。

湯釜には紙片、米、塩、酒の順にぱらぱらと入れられる。

御幣を振る。

東の神社、南の神社、西の神社、北の神社に向かい拝巡して湯立てを始める。

束ねた二本の笹を手に持って湯釜に浸ける。

それを振るようにしてシャバシャバする。

これを地区の人はシャゴシャゴと呼んでいる。



この間、御輿を曳航してきた子供たちは興味津々の顔で拝見している。

巫女は最後に御輿の子供たちや氏子らに一人ずつ頭から鈴を振って心身や交通安全を祓い祈る。

※当日は、映像の公開許可が得られませんでしたが、その後において事情が変化したことからここに許可を得て公開します。(H22.3.13 記)

(H21.10. 3 Kiss Digtal N撮影)

地域の祭りとしている外川八幡神社

2009年10月15日 07時23分46秒 | 大和郡山市へ
昼過ぎに秋祭り宵宮の神事を終えた外川町八幡神社の社務所前は、大勢の子供たちであふれている。

自治会の催しで、みたらし団子、うどん、綿菓子などの手作りの夜店が並ぶ。

隣町の子供会も参加できるようになり賑わいをみせる。

盛り上がっているのは餅搗き。

順番に並んだ子供たちで餅を搗いていく。

役員さんは粉で顔が白くなった。

拝殿では福引きをしている子供たち。

かつてはお神楽券があった。

巫女さんがきて、鈴祓えのお神楽を舞ってもらったが諸事情で福引き券に替わった。

こん日の宵宮は地域の祭りと称してしている。

※撮影はしていませんので画像はありません。

(H21.10. 3 記)

物騒な街でひったくり

2009年10月14日 07時29分17秒 | ぽつりと
店仕舞いをしている最中に携帯電話の呼び出し音がなった。

次男からだ。家の留守番電話に、住之江警察やいうておばあちゃんの名前を言っていると伝えてきた。

そりゃおかしいで、警察の名前を語るカタリとちゃうか。

こっちはまだ仕事があるんで、おかんに電話して確かめといてやと伝えた。

といいつつも何か胸騒ぎ。

警察から電話がかかってくるとドキッとする。

長男も次男もかかってきたことがある。

それは盗難や駐車違反に関してだった。

ひょっとしたら事故にでも遭遇したのだろうか。

それやったら病院からやしな。

それともひき逃げか。

そんなことはあってほしくないおかんは84歳。

実家に電話したら誰もでない。

携帯に電話しても同じでおかんの所在をつかめない。

こりゃもしかしたら本物の警察か。

次男に電話してその留守電の内容を携帯で聞き取ったら、住之江警察の者だと名乗る男性、おかんの名を言って。

その件ですが、南加賀屋交番に電話してくださいと登録された音声がしゃべる。

何事かは判らない。

おそるおそる警察に電話して交番に繋げてもらったら刑事さんが出てきた。

何事でしょうかと尋ねれば「ひったくり」にあったという。

鞄ごと盗られてしまったので家の鍵がないという。

そこで我が家に予備鍵を持っているかどうかだった。

話し中、おかんの大声が受話器を通して聞こえてきた。

その分では大丈夫だ。

確か予備鍵を家に保管していたはずだ。

その場所を知っているのはかーさんだけ。

そのかーさん、今夜は知人らと一緒に遊びに出かけている。

ところがだ、携帯コールしてもまったく反応がない、ない。勤務を終えて自宅に戻って心当たりを探してみた。

やはり、ない。

再度、コールしたが反応がない。

交番の方では合い鍵がないやろかと探していた。

だが、鍵も鞄と一緒に盗まれた。

署の方からはシリンダー錠を早急に付け替えねばということで鍵屋さんに手配をしていた。

見積もりでは1万6千円。

夜間対応なので相当高い料金だ。

予備鍵さえ見つかればいいのだが、時間切れだ。

おかんを家に引き取ろうと決断したことを刑事さんに伝えて、車で大阪に向かった。

交番の場所は判らないと伝えると調書も終わるので本署に来てくださいという。

住之江駅のちかくでしょうかと言えば、競艇の西側のゴルフ場の向かい側だった。

場所は判りますかと言われたが、生まれ住之江。

30年間育ったところなのでよく存知していると言えば受話器の向こうで笑った。



到着するには一時間余り。

その間もかーさんからは連絡がない。

煌々と街の明かりがやけに眩しい住之江の街。

夜11時だというのに車はいっぱい。

歩道には自転車で闊歩する若者の数が多いこと。

街の明かりに誘われて集まってきているのだろうか。

奈良では見られない光景だ。

自転車にあった鞄を盗った盗人はあっという間に自転車で走り去ったという刑事。

こんなところに住んでいたのかと思うと故郷がやけに興ざめした。

本署の前のそうであった。

自転車に乗る通行人がやたらに多い。

若い者ばかりが目につく。



交番での調書に時間がかかり30分後に刑事とともにおかんがやってきた。

歳が歳だけにあたり前なんだが、事件のショックでさらに窶れた顔に見えた。

大阪はひったくりが多い。

住之江でも同じ傾向にあり、今夜も数人を検挙したという。

今夜はここに入泊しているそうだ。

事件発生後も直ちに検挙に走り回ったが見つかっていない。

発生場所はなんと団地内だった。

自宅へ戻ろうと自転車から離れようとした矢先にひったくられた。

頭の上を何かが飛んでいったようだったというおかん。

気がついたら私の鞄や、泥棒と声をだそうとしたが声にならなかった。

自転車に跨って後を追いかけたが見失った。

途方に暮れて郵便局辺りに来たが商店街の店は閉まっている。

一軒だけ明かりがあった。電気屋さんだ。

そこには三人の男性がいた。

ひったくりにあったことを声にならない声で伝えたそうだ。

店のご主人は警察に連絡してくださった。

直ぐに署員が飛んできて、現場検証したそうだ。

気がかりだったキャッシュカードの取り消しはすでに終えていた。

対応が早いことに感謝する。

メモを握りしめていた手の指には自転車の鍵があった。

これだけは離さまいと輪っかを通していた。

のどが渇いてペットボトルの水をグビグビ飲み干して二本目。

ちょっとは落ち着いてきやはりましたと刑事さん。

鍵屋さんの手配など上階に住む方にお礼の電話をした。

なんでも携帯に事件通報が発信されたそうだ。

八十いくつの老婆がひったくりにあったというメール配信だ。

それがうちのおかんだったと驚かれたそうだ。

なにもかもお世話になって、ありがとうございましたと頭を下げて署をあとにして奈良に戻ったらシンデレラタイムになっていた。

翌日、予備鍵を持って大阪に行った。

(H21. 9.25 SB912SH撮影)

タイトルは祓い清めの神道

2009年10月13日 07時18分54秒 | 民俗の掲載・著作
祭りのお渡りは様々な形態がある。

先頭が竹ホウキや農具のクワを使って神さんが通る道を祓い清める祭礼がある。

横田町ではサカキの枝にある。市広報誌「つながり」掲載の“行こか”シリーズは13回目になった。

それを拝見された方が町の祭りを紹介してくれて嬉しいと伝えてくれた。

こういう言葉を聞くと取材に張り合いがでます。

(H21. 9.21 SB912SH撮影)

わらじや料理

2009年10月12日 07時41分40秒 | あれこれテイクアウト
久しぶりにおかんがやってくる。

どこへ食べに行こうかと言えばクルクル寿司がいいと次男。

ほんの少し前なら二台の車でいけた。

ところがだ、次男が車を手放した。

軽自動車は四人乗り。一人は溢れる。

自転車で行くと次男は言ったが寿司屋までは遠い。

どうするかと思案した結果、前回とても美味しいにぎり寿司が好評だった「わらじや」に決めた。

そこは持ち帰りができるお店だということを思い出したのだ。

これなら家で五人がゆっくりと食事ができる。

予め入手したメニューを選んで事前に注文しておいた。

お店に寄ってパック詰めされた料理を持って帰った。

家なら風呂に入ってビールも飲める。

美味そうなご馳走がテーブルを広げた。

にぎり寿司五人前、棒寿司一本、唐揚げ三人前、天ぷら三人前、焼き鳥三人前、鯛の造り一人前、牛肉のタタキ二人前にサラダが二人前。



どれもこれも美味すぎる。満腹中枢が止まらない。

(H21. 9.20 SB912SH撮影)