ルカ・マヌッツァ気にしないうちに随分身近なピアニストになってきました。
最初がどれだか解りませんが、はっきり意識したのがハイ・ファイブ、そしてブルーノートで会いました。結構いいねぐらいで、でも日本で出ているローマ・トリオは無視していましたから、AlboleからのMax Iomnataの「Inspiration」でかなり驚き、同じレーベルのRobert Gattoの「Remembering Shelly」でまた吃驚、ハード・バップを引き倒す力、凄いです。若いのにそれが出来るのですね。
そしてこのアルバムですが、こちらはまた一つ違う魅力です。(ローマ・トリオはそうかどうか)
ハード・バップ系を引き倒すと言うよりか、オリジナリティが漂いながら、曲によってポイントを聴かせる余裕たっぷりな演奏です。
2曲目まどろむようなアンニュイな感じはこれまで知らなかったところ、とても深く落ち着いていく演奏、この曲の雰囲気だけを抽出しても、一枚のアルバムが出来るのでではと思う奥行きです。
3曲目がスタンダード“Whisper Not”、変拍子のウイスパーは初めてで、長まわしのピアノソロを弾き切るあたり、自信に満ち溢れています。
4曲目オリジナルは、少し淡い色彩の風景を描くよう、オリジナルの淡さと、スタンダードのリズムを変えた色彩が上手く組み合わさります。
ドラムスとベースはローマ・トリオと同じ、かなり一緒に演奏するメンバーでしょう、ドラムスがちょっと私的にはオーソドックス、もう少しおしゃれにして欲しいと思うのは批判うけますか。
5曲目目、“”ピアノをシングルラインで弾く凄さ、ベースソロの後に最後に出すテーマのカッコよさ、唸るほどの演出と音楽を表現することの力強さ、自信があるのです。
6曲目はスティングの曲ですが、散文詩のようにこれ、ベースの優しい歌と相まって(いい音ですね)、それこそ前の曲“Airegin”とは違う、こんなに色彩かえるピアニストもめずらしい、そして素晴らしい。
7曲目がタイトルと名なっている曲で、ドラムスのNicolaとLucaの曲、モーダルなピアノの流れが美しい、今夜東京も雪が降っていますが、その風景にグルーッと俯瞰するような、雪の降る町を見たいな(今日聴くと)感じ受けました。
8曲目はちょっと全体の雰囲気から外れるかも、アレンジもいまいち、オリジナル曲を入れたほうがいいと思う。
だからその後の9曲目のオリジナル、そしてドラマーの曲10強目が美しい、ピアニストのデビュー作としてはとてもバランスの良い出来、そしてオリジナルの素晴らしさが、スタンダードの上手い演奏を凌駕しています。
9曲目のこの曲、そう2曲目、4曲目と抽出して聴くと、これこの人の凄さが解ると思います。
ありゃ、ついこの間も FORMAT A'3で同じような事を言った気がします。
Luca Mannutza / LONGIN'
Luca Mannutza(p)
Gianluca Renzi(double b)
Nicola Angelucci(ds)
1. Message In A Bottle
2.Pingoli
3.Whisper Not
4.Sarasong
5.Airegin
6.Tea In The Sahara
7.Longin'
8.Tea For Two
9.Clowns
10.Heartly