JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

舟を編む 三浦しをん 著

2012-04-20 22:03:35 | 


三浦しをんの著書『風が吹いている』がいたく気に入って、日本の青春小説を10冊選んだことがあります。

そんな思いがあるので、新刊『船を編む』を知ったときにすぐ図書館に予約したけれど、順番がくるまで、4ヶ月ぐらいかかりましたが、ちょうど番になった時には、2012年本屋大賞の一位に選ばれました。
2位の355.5点、高野和明氏の『ジュノサイド』を大きく引き離しての510点の一位でした。

2割がたは本屋さんのひいき目があるのではとも思いますが、私としてもうれしいことです。
一途に物事に取り組む人々をえがいているのですから、清々しい気持ちになるのは必至、今回は国語辞書を新しく編集するお話です。
こうやってblogを書いて、UPしているのですから、言葉については少しは気を遣っている(様には見えない)つもりですので、とてもおもしろく読みました。
ただ考えていたより、文字のおたくよりも、スポーツ男だったようで、胸キュン度は『風が』の方で、以外と今回はさっぱりと読みました。

まずは書中の名言から、

「どいつもこいつも、目先の利益を優先しやがって」

さて文中には明快に一途な人たちの考えや感じ方が書いてあって気持ちが良い。まずは辞書作りの後を引き継ぐ主人公を捜し出す、退職する荒木さんと松本先生の言葉。
「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」

『大渡海』という辞書の名づけ理由です。
続いて、転属となった辞書編集など全く知らない女性社員が主人公のまじめさんに気づいていく時の思いです。

「人間関係がうまくいくか不安で、辞書をちゃんと編纂できるのか不安で、だからこそ必死であがく。言葉ではなかな伝わらない、通じあえないことに焦れて、だけど結局は、心を映した不器用な言葉を、勇気をもって差し出すほかない。相手が受け止めてくれるよう願って。」

なんだか私のいい訳めいてしまいましたが、心がほんのりする本でした。

それで読み終わった本は待ち人がいるおで、図書館にかえして、わずかな時間で予約した本と他4冊を選んで帰りました。
ひとつは本の雑誌の本年1月号、恒例“2011年度ベスト10”でこの『舟を編む』は8位、でもこの雑誌の順位はとても勝手なお遊びで、関係者の相談で決まる形をとります。こんな感じ

編A   小説が少ないですね
営A   じゃ、三浦しをんを入れておこう。
発行人  八位でいいから。

どちらにしても、まずはめでたし、めでたし。






コメント (4)
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