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余命30日と宣告されたカウボーイの孤軍奮闘「ダラス・バイヤーズクラブ’13」劇場公開2014年2月

2014-09-04 20:50:48 | 映画

               
 ロデオのカウボーイ、ロン(マシュー・マコノヒー)は、コカイン、酒でふらつき、たばこをぷかぷか、暇さえあれば女と乱交という電気技師の職業を持つ男だった。

 ある日、帰宅してぶっ倒れ眼を覚ましたのは病室だった。そこに医師から、エイズで余命30日だと宣告される。

 この当時、1980年代では有効な治療薬もなく死神に取り付かれたも同然だった。僅かにAZT(アジトチミジン)という薬の治験が始まろうとしていた。

 ロンは病院の職員からAZTの横流しを受け、それを飲んでいた。ところが規制が厳しくなり横流しを受けることが出来なくなった。その職員から教えられたのがメキシコの医師だった。

 メキシコの医師が言う。「コカイン、酒、メタンフェタミン、AZT。“破滅のレシピ”だ。薬のやりすぎで免疫系が随分やられている。コカインもAZTも免疫を弱める。製薬会社が儲かるだけで、飲んだ患者の細胞は死んでいく。免疫系の回復のためにビタミン剤と亜鉛を飲め。アロエと必須脂肪酸もだ。楽しいだろ?」

 そして、3ヵ月後には「T細胞が増えている。これはddCだ。AZTに似ているが毒性は低い。そして、これがペチプドTだ。タンパク質で毒性はない。効き目は証明されている。君にも飲ませた」

 エイズは完治できないが、これらの薬によってエイズと付き合いながら生きていけるというわけ。これらの薬は、アメリカでは未承認だった。違法と分かっていながら儲かるビジネスとしてメキシコで仕入れてアメリカで売る。それがいわゆるダラス・バイヤーズクラブの始まりだった。

 この映画のために体重を落とし頬もこけ見るからに病人のマシュー・マコノヒーに協力するホモ、レイヨン(ジャレッド・レトー)の妖艶さや、医師のイヴ(ジェニファー・ガーナー)に対するロンの成就しない恋情の悲しみ。そして徐々に儲けるという次元でなく、誰かを助けたいという人間のもつ崇高な心が表われてくる。

 これは実話だそうで、一人の男が辿ったドラマは強く印象に残るものとなった。本作でマシュー・マコノヒーは、アカデミー主演男優賞を受賞、ジャレッド・レトーも助演男優賞を受賞した。
          
          
          

監督
ジャン=マルク・ヴァレ1963年カナダ、モントリオール生まれ。

キャスト
マシュー・マコノヒー1969年11月テキサス州ウバルデ生まれ。
ジャレッド・レトー1971年12月ルイジアナ州生まれ。
ジェニファー・ガーナー1972年4月テキサス州ヒューストン生まれ。
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