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映画「ウィンド・リバー」ワイオミング州のアメリカ・インディアン居留地で起こったこと

2019-01-10 13:36:08 | 映画

           
 イエローストーン国立公園に隣接するワイオミング州のティートン国立公園を囲むようにティートン国有林とショショーネ国有林が連なる。その麓にウィンドリバー・インディアン居留地がある。
 夜の雪原を追われるように走る一人の女。その女は不気味な暗闇を作る森林地帯へ走り込む。

 夜が白々と明け羊の群れを狼が狙う。銃声の轟きとともに一頭の狼が血しぶきをあげて倒れる。次の一頭に狙いを定めるFWS(合衆国魚類野生生物局)のコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)。家畜を襲う狼やピューマの駆除がその任務。しかし、強力な狙撃銃の照準から遠ざかる狼は撃たない。コリーは、生き物に対する畏敬の念を持ち合わせている。

 コリーは、ピューマを求めてスノーモービルを駆って森に向かう。人の足跡を追うと、ときおり血痕が散らばる。さらに登ると若い女性の死体を発見する。知っている女性だった。

 居留地の警察からFBIに連絡がいき、降りしきる雪に現れたのが若い女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)一人。居留地警察署長は、あきれて「舐めとる」と吐き捨てる。

 なんとこのジェーン、フロリダ出身で雪深い地域というのに軽装ではないか。このまま山に登ったら、気温氷点下30度にもなる地域で凍死するのは間違いない。署長は仕方なく孫娘の防寒具一式をジェーンに貸す。

 現場には口から大量の血を吐いて死んでいた女性が横たわる。その理由をコリーが説明する。「夜の気温はマイナス30度に近い。それほどの冷気を走りながら吸うと、肺が凍って血が噴き出す。つまりどこからきたにせよ、ここまで走ったところで肺が破裂し自分の血で窒息したんだ」暖かい地方の人間には考えられない原因の死亡事件。

 この謎を解くにはコリーのような男が必要とジェーンは考えたのだろう「捜査を手伝ってほしい」と言う。こうして物語は、核心に近づく。そこには居留地の闇の部分が浮かび上がる。

 この映画に批評家の評価は高い。映画評論サイト「ロッテン・トマト」の10点満点で7.3点となっている。2017年5月の第70回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、監督のテイラー・シェリダンが監督賞を受賞した。(ウィキペディアから引用)

 私としては、ワイオミングのワイルドな雰囲気がよかった。風景はもちろん、ごついタイヤを履いた大型のピックアップ・トラックや雪原を疾走するスノーモービルに釘付けになった。

 そういう風景の中のBGMと言えば、カントリー・ミュージックしかない。William Wild「Feather」、Turnpike Trousdours「Diamonds & Gasoline」が挿入されている。

 コニー役のジェレミー・レナーもFBI捜査官役のエリザベス・オルセンも良かった。2017年制作 劇場公開2018年7月
  
  
  
  
監督
テイラー・シェリダン出自未詳テキサス生まれのようだ。

キャスト
ジェレミー・レナー1971年1月カリフォルニア州モデスト生まれ。
エリザベス・オルセン1989年2月カリフォルニア州生まれ。