仁 王 門
ユーモラスは表情の吽形(うんぎょう)仁王像
阿形(あぎょう)仁王像
群馬の水澤寺や長谷寺(ちょうこくじ)にも足を延ばす計画のため、金精峠の開通を待って出かけた。金精峠は毎年4月末まで冬季通行止めになる。今年2009年は、4月24日(金曜日)正午に開通した。
4月の末というのに風が冷たく気温も3月下旬というから結構冷え込んだ。朝6時に自宅を出たが国道16号線は相変わらずの渋滞。国道50号線から三桁国道122号線に入りようやく快適な走行になった。
草木湖あたりで正午になり、草木湖展望台駐車場に乗り入れて、セブンイレブンで買った弁当で昼食にする。太陽はさんさんと照りつけるが、吹く風は真冬の冷たさで車の中の暖かさがありがたい。
二車線の日光いろは坂で二台の観光バスを追い抜いた後は、前も後ろも車の姿を見なかった。この時季はまだ観光には早いのか、やはり湖畔に緑が満ちるときを待ちかねているのかも知れない。今はまだまだ人影の少ない季節なのだろう。おそらくゴールデンウィークがその始まりになるはずだ。
中禅寺には午後1時半に着いた。外に出ると冷たい強い風が吹きぬけ、思わずウインド・ブレーカーの下にフリースのベストを着込んだ。仁王門の横に何台か停められる場所もあるが、仁王門前の道を回りこむと中禅寺湖畔に大きな駐車場があり、そこからも中禅寺への入口がある。ここでは拝観料として500円を払うことになる。
世界遺産に登録された日光山輪王寺の別院であるこのお寺は、延暦3年(784年)日光山を開祖した奈良時代から平安時代初期の僧、勝道上人(しょうどうしょうにん)によって二荒山神社の神宮寺(神仏習合思想に基づいて神社を実質的に運営していた仏教寺院)として男体山登拝口に建立された。
明治35年(1902年)9月28日から29日にかけての暴風雨で起こった男体山の山津波(現在では土石流といわれている)により壊滅的被害をいうけ、現在地に再建された。中禅寺の別称立木観音といわれる由縁の十一面千手観音像は、根を生やした立木に勝道上人が奈良時代末期から平安時代初期にかけて彫刻したもので、この像高約5㍍の本尊を昭和25年(1950年)8月29日国が重要文化財に指定した。
愛 染 堂
仁王門から入っていくと鐘楼や1938年制作の上原謙、田中絹代共演の映画「愛染かつら」のロケ地となった愛染堂、木の根元に出来たこぶのような隆起を、すべての苦しみを飲み込んだ身代わりのこぶとして案内され、奥まった本堂へと導かれる。
奥に本堂がある
本堂の前で僧侶が説明をしていた。やがて本堂に招き入れられ、立木観音の故事来歴披露のあと、お守り(2,000円)の待望の子供を授かったとか宝くじに当たったとかのPRに辟易させられる。帰路は順路があって別の参拝所に立ち寄る按配になっていた。観光寺の面目躍如といったところ。
冷たい風に湖面が波立っていた
つぎの水澤寺へは、中禅寺を出て金精峠を越えることになる。峠を越えるといっても、いわゆる山肌を切り開いた切通しを越えるわけではない。金精トンネルを走り抜けるだけのことだ。
交通量の少ない国道120号線の除雪は済んでいたが、残雪が道路両脇にあって木々の芽吹きはまだ先のこと。ゆっくりと下界に降りると、桜の花が春を知らせてくれた。
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