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旅「11日間のスリランカNo 6」

2012-09-25 11:15:43 | 旅行

 キャンディの街は、物売りや物乞いがうるさく、またダンスはライト・ハウス・ホテルのショーと変わらなかったという。私は休養してよかった。
 スリランカの古都といわれるキャンディには、仏陀の歯を安置する仏歯寺がある。一日3回プージャ(仏への礼拝)のときだけ仏歯の部屋が開扉される。信心深い人たちは、それに合わせて参拝する。
           
           
 Mrスランガは、私たちをそういう時間帯に案内した。表門から入るには長い列に並ばなければならない。一時、Mrスランガの姿が消えた。戻ってきたときには、一人の男を連れてきた。
 Mrスランガは裏口があるという。男についていくと裏口というのは、出口のことだった。警察官がいて、男がなにやら言ったけど警官は首を振っている。しばらくすると、男がそ知らぬ顔で入っていった。私たちもそれにならった。警官は何も言わない。おかしな国だ。
 入り口、いや出口かな。靴を脱いで土間に足を踏み入れる。ものすごい人の波。強引に階段を昇る。蒸し暑さと人いきれでめまいがする。まさかスリランカに来てラッシュ・アワーの体験をするとは思わなかった。祭壇の前まで行ったが、堪らず脱出する。外で1時間ほど待った頃、妻や息子が戻ってきた。妻は平然とした顔だった。案内した男は、千ルピーのチップをせしめた。

 仏歯寺のあとは、ブッタラマの先に突き出ている半島にあるカルピティヤのアランクーダ・リゾート・バー・リーフ・ヴィラへ向かった。そこが8月25日(土)の宿泊地である。キャンディからはかなりの距離がある。
           
 夕方薄暗いなか赤土の見える未舗装の道を風力発電の風車の横をのろのろと進み、椰子の木に囲まれた広場に出た。そこがこのヴィラの駐車場だった。一台の車も見当たらない。
 どこからともなく男が現れて案内してくれた。そこは椰子の葉で葺いた大きな建物の中に二部屋がありポーチにはだだっ広いベンチがあった。エアコンがなく部屋は開放的でベッドには白い蚊帳が吊ってある。トイレに扉がない。シャワーは庭の真ん中に石を積んだところだった。囲いもない。したがって、ドア・キーもない。雰囲気は原始の世界だろうか。
 シャワーを浴びた。無数に開いた穴から優しく流れるホテルのシャワーとは段違いだった。太い水道ホースから飛び出す水の奔流といったところ。肩に当てると丁度いい按摩になった。ワイルドなシャワーだ。
           
           
           
           
              
           
           
           
           
 夕食にロブスターを注文した。ロブスターは、ここにはなく町に買いに行くという。そういうことで、6,000ルピーを前払いした。塩茹でにしてもらったが、味のほうは期待したほどでもなかった。大味といったところか。久しぶりにエビやピザも食べた。
           
 二部屋を妻と私が別々に使い、ベンチにはクッションが載せてあるので息子とMrスランガ、Mrランガが寝た。私は天井の扇風機を回して寝たが蒸し暑くてたびたび目が覚めた。息子に聞くと夜は寒いくらいだったらしい。
           
 翌朝、プール・サイドのダイニングで食事しているとイギリス人女性二人が入ってきた。Mrスランガが聞くと、この女性たちは4日間滞在しているらしい。それにはびっくりした。私は一日で十分だと思っていたから。

 ここで日本人に対する信頼度が高いことが分かった。Mrスランガがフロントに最終チェックを頼みに行ったときのことだ。やってきた人は、「日本人だから大丈夫だ。チェックしない」という。どこの国の人間なら備品のチェックをするのだろうか。中国人? 韓国人? アラブ人? ドイツ人? イギリス人? そこが聞きたいところだが……。
 MrスランガとMrランガと同宿したのはここだけだった。そんなことで、Mrスランガは後味の悪さを避けるために備品のチェックを申し込んだのだろう。あとで、何かがなくなっていると聞きたくないのは誰しものことだから。(つづく)


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