最期になります、(したい) COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」 お付き合いください。m(_ _)m
司会を上田 としこ先生、出席者 もりたじゅん、一条ゆかり、竹宮恵子(現在は惠子)、萩尾望都、まき・のむら (のちにレディスコミック等で活躍 管理人注) (以上敬称略)の各氏、で行われたこの座談会、1971年10月号の掲載ですから、出席者の面々はデビュー直後もしくは新人の域を出ない頃です。
今回は枝葉末節を省いてまとめてみましたので、話した言葉そのままの 青字 はありません。
④ 原作まんがの良否
上田
少女まんがには原作つきまんがが非常に多い…抵抗ありますか。
一条
会社をルートにして回ってきて、原作者をあまり知らない。バサッと渡されて読んでもつまらない。原作と自分との接点がない。半分以上自分で勝手に変えて描く。これだと原作の良さがなく、プロットをもらっただけ。
- 略 -
原作者をいかに知っているかが大切。お互いの良いところをとりっこして、悪いところをたたきあわねば。
竹宮
最初の頃はその通りにやらなきゃと真面目にやったがやりにくい。いいネタならプロットとしてふくらましていくが、全然来ない。
もりた
原作者というのは少女まんがをなめてるみたいね。(笑)
一条
それはある、大変。
上田
ゴーストライターが非常に多い。名前出さないで。
竹宮
原作者の名前出すならいい。責任がかなり行く。
一条
必死で名前出してもらったりね(笑)
けど、悪い原作を与えられて作品が悪くなるのは自分が悪い。こなしきれなかったということ、悪くても良くしていかなくちゃ。あからさまなのは断るとか、自分で考える。
自分のいい加減な態度が一番悪い。
もりた
後々自分の身になるならその人が本物だったということ。なんでも吸収することですよね。
上田
最後出版社、直接には編集者ですけど、そちらからの注文がなくて好きな作品をと言われたら、違うもの出てきますか。
竹宮
同じようなもの描くんじゃないかな。
一条
それほど規制されてない、嫌なものは描かない。
竹宮
描けと言われても描けるものじゃないです。
一条
相手に妥協しているようでこちらの意地はちゃんと通す。
上田
それは大切なこと。今日ここにいらっしゃる方たちは独自なものをちゃんと押し通している。これからも子供たちのエキスになるような作品に意欲的に取り組んでいただきたいと思います。
今、同じ質問されてもきっと皆さん同じようにお答えになると思います。40年近くまんがをまっすぐ描いて来られた方々。初めからぶれたところがないのは気持ちいいですね。最後までお付き合い頂いてありがとうございました。
その1はこちら → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」
その2 → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」Ⅱ
その3 → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」Ⅲ
司会を上田 としこ先生、出席者 もりたじゅん、一条ゆかり、竹宮恵子(現在は惠子)、萩尾望都、まき・のむら (のちにレディスコミック等で活躍 管理人注) (以上敬称略)の各氏、で行われたこの座談会、1971年10月号の掲載ですから、出席者の面々はデビュー直後もしくは新人の域を出ない頃です。
今回は枝葉末節を省いてまとめてみましたので、話した言葉そのままの 青字 はありません。
④ 原作まんがの良否
上田
少女まんがには原作つきまんがが非常に多い…抵抗ありますか。
一条
会社をルートにして回ってきて、原作者をあまり知らない。バサッと渡されて読んでもつまらない。原作と自分との接点がない。半分以上自分で勝手に変えて描く。これだと原作の良さがなく、プロットをもらっただけ。
- 略 -
原作者をいかに知っているかが大切。お互いの良いところをとりっこして、悪いところをたたきあわねば。
竹宮
最初の頃はその通りにやらなきゃと真面目にやったがやりにくい。いいネタならプロットとしてふくらましていくが、全然来ない。
もりた
原作者というのは少女まんがをなめてるみたいね。(笑)
一条
それはある、大変。
上田
ゴーストライターが非常に多い。名前出さないで。
竹宮
原作者の名前出すならいい。責任がかなり行く。
一条
必死で名前出してもらったりね(笑)
けど、悪い原作を与えられて作品が悪くなるのは自分が悪い。こなしきれなかったということ、悪くても良くしていかなくちゃ。あからさまなのは断るとか、自分で考える。
自分のいい加減な態度が一番悪い。
もりた
後々自分の身になるならその人が本物だったということ。なんでも吸収することですよね。
上田
最後出版社、直接には編集者ですけど、そちらからの注文がなくて好きな作品をと言われたら、違うもの出てきますか。
竹宮
同じようなもの描くんじゃないかな。
一条
それほど規制されてない、嫌なものは描かない。
竹宮
描けと言われても描けるものじゃないです。
一条
相手に妥協しているようでこちらの意地はちゃんと通す。
上田
それは大切なこと。今日ここにいらっしゃる方たちは独自なものをちゃんと押し通している。これからも子供たちのエキスになるような作品に意欲的に取り組んでいただきたいと思います。
今、同じ質問されてもきっと皆さん同じようにお答えになると思います。40年近くまんがをまっすぐ描いて来られた方々。初めからぶれたところがないのは気持ちいいですね。最後までお付き合い頂いてありがとうございました。
その1はこちら → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」
その2 → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」Ⅱ
その3 → COM 1971年10月号 特集・座談会 「少女まんがをさぐる !!」Ⅲ
なので、読み返すことが出来て嬉しいです♪
出席者の方々、本当に筋の通った、たじろがない方々ばかりですね。
だからこそ40年も漫画を描き続けることができるんですね。
何よりも漫画を愛する気持ちに嘘偽りがなく、気持ちいいです。
ところで、もりたじゅん先生の当時の漫画を読みたくなって検索してみたら、以前のトミー。さんの記事に当たりました^^
『うみどり』読みたいな。
(竹宮惠子)さんの原作付きマンガの名作「変奏曲」(1975年~)は「大泉サロン」発案者であり(竹宮惠子)さんのマネージャーをしてた(増山法恵)さんの原作なんですよねー(^o^)。
これ程、マンガ家と原作者が知り合いってのは、物凄い強みです♪。
但し、(増山法恵)さんが(竹宮惠子)さんのマネージャーをするって言った時、理論派(佐藤史生)さんが言ったそうです。あなたも物書きなんだから創作者同士で衝突する可能性があるって、気をつけないといけないって。マネージャーって難しいものなんですねー!。
(萩尾望都)さんにもマネージャーの(城章子)さん(文筆ペンネームは今里孝子)原作の「マリーン」(1977年)って作品があります。
竹宮・萩尾両氏が天才的な才能あふれる作家であることは現在は常識といっていいほどのことなんですがデビュー時の若い頃はおふたりとも才能はあるとはいえ文化の行き届かない地方出身の若者にすぎなかったことも事実で、増山さんはこの才能あふれるおふたりに意識的に教養面での指導を行ったようです。
都会育ちで取り入れる文化面ではおふたりの比ではなかった増山さんは、持てる知識を総動員しておふたりに教養となる映画や小説やその他あらゆる文化的な情報を薦めたらしい。
なかにはヘッセの文学などがあったわけですが、ヘッセが何を言わんとしたかということではなく、たとえば「車輪の下」を読んでの感想を作品にして、というようなカタチで。
このような体験がおふたりに豊かな発想のもととなる基礎をはぐくませた様子です。
私の大好きな「ナルニア国ものがたり」も増山さんが竹宮さんに(あるいはおふたかたに)薦めた児童文学で、竹宮さんは結局お読みでなかった様子なんですが、私がはじめて竹宮さんという作家を意識した「扉はひらく、いくたびも」という作品でひとこと『アリスの国へ!ナルニア国へ!』というセリフで使われている、、、「扉はひらく~」はそれがなくても充分魅力的な作品ではあるのですが、私個人がもっとも心惹かれた部分はまさにこのひとことなんです、それを思うと私はいまさらながら増山さんにファンレターを出したい心境です。。。すみません、私情に走ってしまいました。。。
えへ。言いたいのはそれだけじゃなくて、「変奏曲」登場人物のエドナンとウオルフとボブ、これはまさに竹宮さんと萩尾さんと増山さんじゃないですか…!?
ホルバート・メチェック氏はふと気づく、自分は今まさに歴史に名を残すふたりの天才の邂逅を目の当たりにし、なおかつ自分はそのふたりを出会わせるための重要な位置にいることに、というあのシーンは増山さんのリアルタイムでの実体験じゃないですかあああああ!ひいいいい、私は今妊娠しそ~に感動してますううう。
あっ、ひとさまのおうちでお下品な発言失礼しました…反省してないことになお言い募りたいんですがトミー。さん、トミー。さん、増山さんがおふたりにヘッセを薦めると、おふたりともにかの作品から少年同士の恋愛を受け取ってしまったんですよね~~~、もちろんそれはヘッセがいわんとしたことなんではなく、おふたりの才能が読み取ったことなんでありました…かくておふたりはほぼ同時期に男子学生寄宿舎モノ、「トーマ」と「風木」を描き始めたという…なんて壮大なロマンなんだああああ♪
あああ新年早々気絶しそう、なんて縁起の良い幕開けの年なんでしょう。。。
そして縁起の良い二乗なことに「銭ゲバ」ドラマが始まりますよ~~松山ケンイチ君主演で。1月17日(土)9時~。
あとねえ、今さん新刊「萌えの死角」で今さん画のオスカーとユーリが見られます!鼻血もんの。今さん画のトーマとエーリクも見られますけど気合の入ってないこと入ってないこと。比べて煙草くわえたオスカーの気合の入っていること入っていること…今さん正直すぎ…
ちなみに「文鳥様と私」9巻も発売しているもようです。
そちらへ伺う前にいらしていただいてすみません。
m(_ _)mおめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
「マリーン」の原作の城章子さんって誰かな~と思っていたんですよ。萩尾さんの雰囲気にとっても合っていて相乗効果があると思ったものですから。やっぱり良く知っている人たちの共作だったのですね。
佐藤 史生さんもお友達のマンガ家の原作で何作か描いてましたね。
>増山さんはこの才能あふれるおふたりに意識的に教養面での指導
増山さんは都会育ちなんですね。当時の (団塊の世代の) 若者はTVがあっても、今よりもっと都会と地方の差を感じます。うちのだんなが銀座で生ジャズやR&Bを聞いてる頃、地方の人はラジオで演歌しか聞けないような・・。
バカにしているわけではありません。うちの会社の地方出身者に聞くとそんな感じ。
凄い才能があっても、一人ではおのずと限界がある、教える人、育てる人があって始めて大きく花開くものなんですね。
才能を嫉妬せず、いろいろ教えてあげた増山さんの優しさも素晴らしいです。
ファンだから、松山ケンイチさん情報チェックしてますよ~!楽しみだけど、ちょっと不安。なんたって 銭ゲバ だもんね~。だんだんマニアックな役になってる気がする…。
ええっ
>今さん新刊「萌えの死角」
さっそくEブッ○オフで入荷お知らせメールポチっ。これは絶対外せないですね~。
元々熱狂的な(石森章太郎)氏ファンで、石森氏の家に泊まり込んでいたこともあるそう。
その後、(石森)氏に(竹宮惠子)さんの存在を知らされ、大泉サロンを訪れ、
73年春には(萩尾望都)さんのメシスタントに。アシスタントじゃない処が(^o^)。
さあ~今度は、(つる)さんに(笑)。
以前BSで放送された「作者が語る少女マンガ」の(竹宮惠子)さんの「風木」の回で
(竹宮惠子)さんと(増山法恵)さんが出てらして、(竹宮・萩尾)両氏に教養面での指導を
行った事を語っていましたよネ♪。
「変奏曲」のエドナンとウオルフとボブが、竹宮さんと萩尾さんと増山さん・・・
う~ん、言われると確かに似てるな~!
増山さんが2人に薦めた少年愛の本は、ヘッセだったのか~!
(放送では本の山だったのでどんな本か分からなかった)
「トーマ」と「風木」は、増山さんのお薦めで生まれた傑作作品ですよね♪。
「風木」の構想が湧いて来て止め処なく、増山さんに電話して聴いて貰いながら
スケッチして行く竹宮さんと、朝まで延々と続く「風木」の原案に面白くて
ワクワクしながら「風木」の最初の読者になる増山さんの、あの再現映像は、
目に焼きついてます~♪(^o^)。
因みに、大泉サロンで、増山さん竹宮さん(佐藤史生)さんの3人は、
徹夜に強くて、朝まで延々と語るのは、いつもの事だったようです(^o^)。
おおっ早速にいろいろ教えて頂きありがとうございます。なるほど、
>(城章子)さんは元々熱狂的な(石森章太郎)氏ファンで、石森氏の家に泊まり込んでいたこともあるそう
なんてすごいですね~。私も練馬にある父親の実家の近所に石森氏のご自宅があって、いつ押しかけようかと思っていたのですが、ついに果たされませんでした。(泣)行っとけばよかったな~。でも小学生だったし。(笑)
>「変奏曲」のエドナンとウオルフとボブが、竹宮さんと萩尾さんと増山さん
そうか、あれはそう読めばいいのね。「変奏曲」は新装版の1巻しか読んでないので、全部読んでみなけりゃだめか。
ソッカ、BSの番組で見たんだったのね…増山さんが竹宮さんのマネージャーになることになったとき、昔何かで読んだ内容によると萩尾さんが反対したとか。増山さん自身が作家として立つなら竹宮さんにかかずらわっているべきでない、みたいな。この番組では佐藤さんが忠告している、となっているけどきっと仲間内で真摯な賛否の意見が話されたのでしょうね…ぐふ。アツい。。。
城さん作品はかすかに覚えてます、たぶんデビュー作の扉絵だけ…失礼ないいざまだけどあまり魅力は感じないごく平凡な恋愛モノを手堅くまとめたような感じだった気がする。ただ真面目さ、みたいなものにごく好印象だったような。2~3作で消えたのですがよく萩尾さんのコミックエッセイなどに登場していて(`おじょじょ`と呼ばれてる人)「萩尾さんや佐藤さんと近しい人なんだな~」と思ってました。萩尾さんのマネージャーになっていたことを知ったのは1~2年前とごく最近。
一昨年あたりの『アエラ』の記事によると「自分が3時間かかる一枚を萩尾が3分で描くのを見て『漫画はこういう人が描くものだ』と感じ、当時人気絶頂で生活・健康管理ができなくなってきていた萩尾さんを助ける」道を選んだようです…アツい~~~♪
ずっと昔の記事で、没頭すると寝食を忘れる萩尾さんの食事は『ゆでたまごをたくさん作っておいて空腹を感じるとそれを食べる』みたいなこと言ってたので切実に助けが必要だったんじゃないかと思います。
「マリーン」の原作者が城さんだったことを知ったのも最近、もしも城さんが作家を続けていたら丁寧な良作を描ける人だったろうと思います…思いますが「萩尾さんを助けてくれてありがとうー!!」…天才もひとりでは立ち行かない可能性が高い、めぐり合わせって大事ですね。
…いったん送信しとこっ
石田さんによるとヘッセの文学をいろいろな角度から分析して『イメージを喚起するヘッセの文字表現がマンガと相性が良い』など指摘してるそうです…あの、この本面白そ~なの、著者は70年代くらいの生まれでちょっと若い人なんだけど、感想を書いてた人によると当時の大泉サロン周辺の空気など的確につかんでいる様子で。
竹宮さんは「ナルニア」読んでないらしい、といのは昔トラプロにいらしたという方が教えてくださったことで、この方は私が竹宮さん作品(おもに風木や地球へ)から受け取ったもっとも印象深いことはそれぞれの人間が「個」であること、それは何物にも変えがたいものなのだというようなこと、を竹宮先生に転送してくださり、竹宮先生ご本人のコメントを私に転送してくださいました…作者が描こうとした意図とは別にいろいろなことを読み取ること、それはもう読者側の作品なのだと思う、というメッセージをいただきました。
竹宮さんや萩尾さんがヘッセから受け取った作品の主題とは別の部分、そういう話と重なるよ~な。して昨日「文鳥様と私」を買いに行ったら「ダヴィンチ」も買っちゃったんだけども、だって表紙に『世界はBLに満ちている』と書いてあったんだもぉ~ん、で読んだら「文学作品から嗅ぎ取るBL臭」とかとか世の中のあらゆるものからBL臭を嗅ぎ取る内容が書いてあって今話してる話とタイムリーに合致…
えっと…まとまりがつきません、、、すみません。。。
でね。「文鳥様~」を買いに行ったらダヴィンチだけじゃなく西田東の新刊もみつけちゃったヨ。
『LIFE,LOVE』①
まとまり云々の前にもう文章が帰結しにゃい。