この本は非常に良い。<o:p></o:p>
金融危機の背景、問題点が明らか。様は、デリバティブでばら撒かれた住宅債券が今回の危機の直接原因であるが、間接にはアメリカの金融産業化とネオコン、そして自動車バブル(SUV:大型スポーツ車で極めて燃費が悪いが「環境」面からは優遇されていたらしい( http://eco.nikkei.co.jp/column/eco-car/article.aspx?id=MMECc7000001122008 参照)、ドル信用の崩壊まで書いてある。<o:p></o:p>
また小泉・竹中政策も時代遅れの規制緩和政策で、金融重視のあまり産業育成は出来ず、所得移転機能も無く格差拡大なのに、未だ「充分な規制緩和が無いからだ」と言っているとある。ちなみに、著者は慶大教授で、竹中氏と同じ大学である。<o:p></o:p>
痛快な論理と説明であり、480円(岩波)とお安いしお奨めです。これで、今のバブル崩壊は良く分かりました。金融工学は産業として破綻しました。いままでの産業のエンジンであった自動車も「エコ」の前に潰えました。週間朝日の1.2-9 ‘09号で金子教授は「アメリカは『グリーン・ニューディール政策』で新産業と雇用がある。翻って日本はどうか」という指摘がある。現在は産業の転換期であろう。とすると新しい産業や起業家が大事で、これはアメリカの得意分野だ。日本は改良を旨とするが転換の必要があろう。それは教育からだと考える。<o:p></o:p>