最近のお金儲けは、規制、法律が出来た裏をかくものが多い。つまりは規制を盾にとり、独自の抜け道を作るようなものである。先ず思い浮かぶのはデリバティブ(金融派生商品)のうち1990年代のオプションである。当時、外資系投資銀行は大きな変動がある(オプション料は高くなる)とみせかけ、実は小さな変動(オプション料は低くなる)で、その鞘取りで収益を上げた。<o:p></o:p>
また、最近は法人税の低下で企業が呼び込めるというが、税率0%のケイマンも資金移動の抜け道となった。ケイマンの法人の配当を収益として移転する手法は有名である。<o:p></o:p>
ストックオプションも抜け道で所得から株取引として、値上がり益は低い税率が適用された。所謂、Smart Tax Saving(賢い節税)の大掛かりで経営者が儲かる方策である。<o:p></o:p>
更に、エンロンのような将来収益を計上し、見かけの企業価値を高めるなどの会計の手法もあった。これらの手法に対し、法律、行政は後追いである。つまりは規制、法律は万能ではないということだ。<o:p></o:p>
最近、企業の決算(経常利益、最終利益 等)の赤字が多い。営業利益は黒字だが、特別損失(暖簾代、有価証券売却損 等)が見られる。これも、今なら「赤字」でも通りやすいし、「損」を出しておけば、回復時に効果が大きいという「抜け道」をみんなで通っている感がある。この、右に倣えも最近の風潮で、低成長のためか、「仲良く」、「そつなく」の蔓延となっている。<o:p></o:p>
真に革新的な商品、サービスは経済の成長となる。これらは、主に創造的「革新の天才」が切り開いた。今の抜け道は、利に敏い「法律の秀才」が作っている感じがする。
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