都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

メディア不況を思う:鰯の群れと同質情報の流れ

2009-02-22 09:42:55 | マクロ経済

先日読んだ「市場リスク 暴落は必然か」に経済理論では「完全市場仮設」があり、市場は効率的で情報は市場価値に織り込み済みであるとの仮定があるが、「市場はランダムウォーク」し、リスクの「後講釈」ならなんでも言えるとある。<o:p></o:p>

経済の変化として、20年前の新理論は、経済政策に「だまされない(can not be fooled)」、なかなか変わらない「粘着性(Stickiness)」などがあった。<o:p></o:p>

賢くなった消費者であり、情報は過多でもある。だまされないはずが同じような「後講釈」がはびこる。原油は200ドルになるという本が、サブプライム関連の本がどれだけ出たか、今は不況本だ。また最近は、手法の模倣が見られ、同じ機能や特徴の品物が溢れる。例えば、白物家電なら、エコ やプラズマ・イオンである。<o:p></o:p>

情報を選択し、だまされないはずが、単一化した情報と製品の「バンドワゴン」にのせられている。さらにその状況が新しいバンドワゴンを呼び込むという、循環する同一情報の再生産が行われている。その原因として情報の量は多いが、発信側も、受信側も見解・理論が無く、右にならえが原因ではないか。企業も同じで、経営方策は右にならえである。世の中が一斉に同一の方向に向きすぎている。更に、情報の量と速度が循環をますます早めている。まるで一団となって泳ぐ習性がある鰯の群れのようだ。これは、身を守る作法か。メディアは本来なら多様な見解を示すのが「差異」であり「矜持」だろう。<o:p></o:p>

日本経済は病んでいないと思っている。アメリカは運転資金が無い、貸し出す銀行も無いという問題な状況だ。その差(収益力、不良債権 等)を良く比較すれば良い。日本国内でできることを考えればこれくらいの経済状況は克服できる。それをさせないのはメディアによる「怯え」だ。貯蓄に向かうのはよい。将来V字回復する原資と思っておれば良い。それにしても、不景気にかこつけた「損出し」、「給与カット」がはびこってはいまいか。<o:p></o:p>

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投資はリスクに見合ったリターンが正等:市場リスク 暴落は必然か

2009-02-22 08:57:46 | マクロ経済

市場リスク 暴落は必然か              リチャード・ブックステーバーを読みました。大作で、お奨めです。<o:p></o:p>

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モルガン・スタンレー等でリスク・マネージメントを担当した今はヘッジファンドの運用を担当しているMITの経済博士の著書 2007年。<o:p></o:p>

原題は A  Demon of our own Design  Markets, Hedge Funds, and the Perils of Financial Innovation <o:p></o:p>

(訳は課題が多い。原著で読みたい。例えば P204 「損失を吐き出しつづけていたため、経営幹部がこのスポーツに乗り込んでくるのも時間の問題だった。~リスク・マネジメントの慣行への洞察を提供することとなった。」は分かりますか)<o:p></o:p>

指摘は「密結合」 連鎖する事象、「複雑性」 金融商品としての仕組みの複雑性、企業のリスク管理や組織の複雑性(合併の進行) 対策は金融商品の単純化とレバレッジの低下という当たり前のものだが、論証と経緯が面白い。いかにヘッジファンドが鞘取りやレラティブ・バリューなどの手法を開拓したかを書いてある。また、14Pにリターンはゼロサムゲームとある。誰かが高い金利なら、その分誰かが低い金利とある。誠である。それでも「自分は儲かる」として筆者は投資しているなど「馬力」がある。<o:p></o:p>

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