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★ http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/11/post-4166.php
誤算だらけの中東介入が反欧米テロを生む
The Western Roots of Anti-Western Terror
戦略もパートナーも間違っている対テロ戦争に勝ち目はない。 安易な介入はかえって事態を悪化させるだけだ
2015年11月27日(金)12時24分
ブラマ・チェラニ(インド・政策研究センター戦略問題専門家)
空爆強化 フランスは原子力空母をシリア沖に向かわせた Jean-Paul Pelissier-REUTERS
テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)によるパリ同時多発テロは、欧米主要国による中東介入の問題点をあらためて浮き彫りにしている。介入は予期せぬ結果を招き、欧米はそれを封じ込められない。シリア、イラク、リビアの国家破綻はイエメンの内戦とともに、広大な戦場と大量の難民、今後長期にわたり国際安全保障を脅かすイスラム過激派を生み出してきた。欧米もそれに少なからず加担している。
欧米の中東介入は今に始まったことではない。イラン、エジプト、トルコを除く中東の主要国は、大部分が第一次大戦後の英仏による中東分割の産物だ。01年以降のアメリカ主導のアフガニスタンとイラクへの介入にしても、以前からの欧米による中東の地政学的枠組みづくりの一環にすぎない。
問題は欧米が一貫してイスラム過激派の「穏健派」を訓練し、資金と武器を与えて「過激派」と戦わせる戦略を取ってきた点だ。暴力的な「聖戦」を仕掛けている連中が穏健派であるはずがない。しかしアメリカはシリアの反政府武装勢力の兵士がISISに寝返っていることを認めながら、新たに1億ドル近い追加支援を約束した。
フランスもシリア反体制派に資金援助を行い、最近ISISに対する空爆も開始した。だからテロの標的になった。パリ中心部のコンサートホールを襲った犯人は、オランド大統領を「シリアに介入すべきではなかった」と非難していたという。
独立志向・現実主義の外交の伝統を持つフランスは03年のアメリカ主導のイラク侵攻・占領には反対した。しかし07年に誕生したサルコジ政権はアメリカおよびNATOとの共闘を強め、11年にはリビアのカダフィ政権打倒に積極関与。12年のオランド政権誕生後は介入主義の急先鋒と化し、アフリカ各地で軍事作戦を実施している。
悪循環を加速させる恐れ
歴史の教訓を無視した介入だ。21世紀の欧米の介入は予期せぬ結果を招き、それが国外に飛び火して新たな介入を招いてきた。
同様の悪循環は20世紀後半にも起きた。1980年代、米レーガン政権は(サウジアラビアから資金提供を受けて)アフガニスタンでソ連と戦う大勢のイスラム過激派を訓練した。それが国際テロ組織アルカイダを生み、アルカイダによるテロはやがてジョージ・W・ブッシュ政権にアフガニスタン侵攻を促し、イラク侵攻の口実を与えた。
その後も欧米は過ちを繰り返した。リビアに介入してカダフィ政権を打倒した結果、イスラム過激派が勢力を拡大し、武器や戦闘員が国外へ。フランスがアフリカのマリなどで対テロ軍事作戦に踏み切る事態になった。シリアでも(スンニ派のサウジアラビアなどの支持を受けて)アサド大統領に退陣を迫ったために、内戦が激化。その混乱に乗じてISISがシリアに侵攻、急速に勢力を拡大したため、アメリカなどが昨年シリア空爆を開始。最近フランスも加わった。
アサドを支持するロシアは独自に空爆を行っているが、やはりテロの標的になっているようだ。シナイ半島でのロシア機墜落はISISの仕業とみられており、シリアとイラクへの軍事関与強化を促し、介入の破壊的な悪循環を加速させる恐れがある。早くもフランスやアメリカなど各国で感情的に政策が策定される兆しが見える。
欧米は最近の過ちに学び、その教訓を生かして慎重に対応すべきだ。オランドのようにテロを「戦争行為」と呼んで国内のテロ対策強化を図るのは敵の思うつぼ。むしろ故サッチャー元英首相の忠告に従い、テロリストの「生命線であるPRという酸素」の供給を断つべきだ。そもそもイスラム過激派組織や原理主義勢力に資金提供しているアラブ諸国と組んで対テロ戦争が戦えるとは思えない。思わぬ結果を招くリスクが大き過ぎる。
今からでも悪循環を断つことはできる。だが最近のISISによるテロへの対応を見る限り、その見込みは薄そうだ。
©Project Syndicate
[2015年12月 1日号掲載]
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● 上記のような事態を、悪循環と言うのです。出来もしない事を、己の能力を超えたレベルで
する事から起こる混乱にも見えます。特にUSAは第二次大戦で日本を隷属化した
自信と快感が自惚れを生み出したのでしょう。
● しかしその後のアジアでの彼らの戦争は、負け戦と言えます。朝鮮戦争では勝てず、
ベトナムへの介入の結果はご存知の様に、USAに深刻な後遺症を齎しました。
その性と思われますが、以降の戦略は明らかに異なります。
● 影のCIAと呼ばれた{ストラトフォー}と言う情報機関を立ち上げて、USAの1999年以来の
戦争に影響を与えたジョージ・フリードマンが書いた本にも明白に書いて有りますが、
その新戦略が上記の西欧の失敗”を読み解くカギになります。
● 一言でいえば、戦争で相手を叩いた後は、放置するという戦略です。日本属国化は
歴史でも珍しいほどの、大成功を齎しましたが、その自惚れがベトナム戦争などで
崩壊した為に、その後の戦争の戦後の占領政策を放棄したのでしょう。
● と言うよりも、放置せざるを得なかったのでしょう。占領後の洗脳による支配が
出来ないのが中東なのです。中東は資本主義ではないという事が主な原因とは
思われますが、いずれにしろ中東では、戦後政策は無きに等しいのです。
彼らは日本人の様にうまく洗脳できないのです。
● 彼の本「100年予測 2009年版」にはっきりと書いています。目標は、
❶ USAに敵対する国家や勢力は、徹底して叩いて
❷ その後の混乱をわざと悪化させて、
❸ 二度とUSAに対抗する勢力が、地域に出ないようにする、事です。
● 戦災から復興させる占領政策はお金と時間がかかり、言えば尻拭いを行っても利益が出ないと
資本主義的に損得を勘定したのでしょう。軍産複合体の利益を確保すれば
それで良しとする戦略です。
● 従って、侵略を受けた国が混乱するのは、初めからの予定なのです。その彼らが
世界に打って出てテロを行うのも、予定のうちと言う事です。それは以下の
USAの民主党の大戦略家の世界支配の戦略にも合致するのです。
● マッキンダーの戦略の影響を受けていると思われる、USA民主党の戦略家のブレジンスキー
の思想にもそれが見られます。つまりハートランド≒ロシアを支配するまでは、
世界への介入を積極的に行い、世界を大混乱させてロシアを支配≒世界を支配する
という、大戦略≒ニューワールドオーダーと思われます。
● ハートランドを支配するまでは、世界の支配は終わらないという思想なのです。
それが中東のみならず、旧ソ連≒ロシア衛星国でのクーデター騒ぎであり
ロシアを何処までも刺激して、戦いに参加させる意図と読めます。
● この大戦略は自ずと、第三次大戦を期待する戦争へと導かれることは大いに予想できます。
第三次大戦≒ハルマゲドンが、その大目標と言う事です。その観点から見れば、
全てはうまくいっているのです。予定通りなのでしょう。
● 誰がアサドを応援して、ISISと戦うかは問題ではないのです。ISISが強大となり、テロが
世界に拡散して、世界各国が戦争や対テロ作戦に飲み込まれるのが重要なのです。
● その観点から見れば、ロシアの戦闘機を撃墜する事も、重要な戦術と言う事なのです。
段々とロシアのみならず、世界がその渦に巻き込まれているのが見えます。
ブレジンスキーが中共をもっと強大化したがっている事もその一つです。
● 空母も未だ、自前では作れない中共では、世界大戦は出来ないのです。ニクソンやクリントン時代に
対ソ連への戦略として,中共に核や核ミサイル等の情報を与えたのも
中共を世界大戦へと誘う一環なのでしょう。
● 世界一?OR 世界第二の核大国であるロシアに核戦争を仕向けるほど、中共の幹部はボケては
いないのです。それは憎き小日本を滅ぼすためのものであることは、
ブレジンスキーの中共擁護の思想からも垣間見えます。
● 全てはハルマゲドン≒第三次大戦への一里塚と思えば、理解が出来るといえます。
● ここまでの疑問は、
❶ 本当に第三次大戦は起こるのか?
❶ 起こるとすれば何時頃起こるのか?
❶ 誰が勝者となるのか? USA・西欧に潜む現支配層なのか? と言う問題点です。
● その分析で私と彼ら西欧支配層との分析とが異なるのです。彼らは彼ら自身の資本主義が
崩壊して、USA西欧内部に分裂と内戦が起こる事を予測できないのが、
最大の問題点です。
● つまり、ブレジンスキー一派の希望と陰謀は、第三次大戦までは順調に進むが、その後は
彼ら現西欧支配階級の予想とは逆の事が起こるのです。つまり彼らの大崩壊です。
そして、世界は世界戦国時代と言う大混乱へと進むのです。
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