「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)7月19日(金曜日)弐
通巻第6146号
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フィリピンもファーウェイの5Gネットワーク入り
130ヶ国の通信インフラで中国ファーウェイのシステム採用
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ロドリゲ・ドゥテルテ大統領は、どうやら反米、親中姿勢を鮮明にしたようである。
昨師走、李克強首相と会談してから、ドゥテルテ政権は、従来の米国との軍事同盟という前提条件を顧みず、ファーウェイの通信インフラ建設の話は進んでいたのだ。
米国はスービック湾の海軍基地とクラーク空軍基地の再建を模索してきたが、スービック湾一帯はすでに工業地区に変貌し、中国企業の投資も活発である。クラーク空軍基地跡は、一部民間空港会社がすでに利用しており、韓国や香港とは直行便が行き交い、周辺はコリアンタウン化している。
フィリピンの通信企業大手ミスラテル(MISLATEL)はチャイナ・テレコムと合弁の新通信企業を設立し、フィリピン全土の通信網をファーウェイの5Gシステムとする。高速通信のインフラが必要かどうか、通信の安全をどうするのか、スパイ行為がなされた場合、通信の機密は保たれるのか、という種々の問題はスルーし、5G導入を急ぐ。
新しいコンソーシアムはチャイナ・テレコムが40%出資し、フィリピン側はミストラルに加えて、同じく通信企業のグローブ・テレコム、スマート・テレコムなどフィリピンの通信企業が参入する。
すでにファーウェイの5Gシステム導入を決めているのはロシア、UAE、欧州ではモナコなど130ヶ国に及び、世界は米国勢 vs ファーウェイの通信システムで弐分割されることになる。そういえばウィグル弾圧の中国政府を支持したロシア、サウジなど37ヶ国に、フィリピンも入っている。